研究課題/領域番号 |
05216203
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
神田 穣太 東京大学, 海洋研究所, 助手 (60202032)
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研究期間 (年度) |
1993
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研究課題ステータス |
完了 (1993年度)
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配分額 *注記 |
1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
1993年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | 植物プランクトン / 栄養塩 / 一次生産 / 硝酸 / 化学発光分析 / 亜熱帯海域 / 新生産 / 海洋フラックス |
研究概要 |
化学発光法による海水中の硝酸態・亜硝酸態窒素の分析システムを構成した。この分析システムについて、分析条件、分析精度、分析確度、試料の取り扱い方法などについて検討した。これらの検討をふまえ、分析システムを1993年10月14日から12月3日まで行われた東京大学海洋研究所白鳳丸KH-93-4次航海に塔載した。亜熱帯外洋域に属する観測点B(24゚ 35'N、170゚ 00'E)、C(22゚ 45'N、158゚ 05'W)において、1)有光層内の硝酸態または硝酸態プラス亜硝酸態窒素の鉛直分布の測定、2)現場法による^<15>NO_3^-取り込み実験(Bのみ)、3)船上インキュベーターでの^<15>NO_3^-取り込み速度の時間変化の測定、を行った。化学発光法による鉛直分布の測定結果から、両測点ともに有光層内の硝酸態窒素濃度は10nM以下であり、100から110mの間の数mで濃度が急激に上昇し始めることがわかった。いずれの場合でも、硝酸態窒素濃度が立ち上がる深さはクロロフィル極大の約5m上、相対光量子束0.5-1.0%に相当した。超微量分析による亜熱帯外洋域での有光層内の硝酸濃度の鉛直分布は従来測定された例がなかった。本研究で得られた不連続な濃度分布は、ある特定の深度を境に硝酸態窒素の消費速度が大きく異なっていることを示唆する。一方、化学発光法による分析から^<15>N取り込み実験における硝酸トレーサーの希釈が正確に算出でき、従って現場での硝酸同化速度が初めて算出できた。これらの結果を総合することにより、硝酸の供給と消費の動態を議論するために基礎となる情報が得られた。
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