研究課題/領域番号 |
05217101
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 国学院大学 |
研究代表者 |
小倉 勝男 国学院大学, 文学部, 教授 (30102099)
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研究分担者 |
仲野 誠 大分大学, 教育学部, 助教授 (80198168)
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研究期間 (年度) |
1993
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研究課題ステータス |
完了 (1993年度)
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配分額 *注記 |
2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
1993年度: 2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
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キーワード | ハービッグ・ハロー天体 / 星生成 / 前主系列天体 / 輝線星雲 / 暗黒星雲 / 分子雲 / 赤外線源 / シュミット望遠鏡 |
研究概要 |
本研究の基本的な目的は、ハービック・ハロー(HH)天体を深く広く探査することにより、この現象の多様性と普遍性を明らかにすることにある。その具体的な実施計画として交付申請書において5つの目標をあげたが、これまでのところ3分の1程度しか完了していなくて、残りは来年度以降に持ち越すことになった。最初に掲げた、深いシュミット乾板(既に得られている)上でのHH天体候補検出作業が予想外に時間がかかったのが主な原因である。これとても論文発表までには至っていないものの、その結果としてOriA/L1641の12.7平方度の探査天域に1292個、OriB/L1630の12.1平方度に64個、NGC2264/MonOB1の6.9平方度に73個という多数のHH天体候補を検出した。いくつかの理由でこれらのうちのそれぞれ約25%・30%・40%、すなわち300個・20個・30個程度は真のHH天体であると推測される。それぞれの天域での既知のHH天体数は39個・24個・4個であることを考えると、驚くべき大きな数である。これらの候補天体の励起源を検出するためにIRAS Faint Source DataBaseと比較することも計画したところであるが、それまでに至らず、IRAS Point Source Catalogとの比較にとどまった。その結果はそれぞれ38個・7個・15個程度しか関連の可能性のあるものがなく、したがって多数の"超低質量"(1M以下)の原始星の存在とその活動性が予想される結果となった。さらに、これらのHH天体候補のなかに、既知のHHjetであるL1641のHH1/2およびNGC2264のHH124にそれぞれ伴う2対の巨大bow shock構造がみられ、木曽シュミットとCCDカメラによる観測でHH天体であることが確認された。これらはHH1/2とHH124の励起星が2万年程前にも激しい質量放出活動を起こしたこと、したがってHH天体活動は恒星の前主系列進化のある期間間欠的にみられることを示していて、きわめて注目される。このHH天体活動の起こる期間についても、L1641での予想されるHH天体数(約300個)と最近の近赤外撮像観測による雲に埋もれた若い星の数との比較から、1.5×10^5年程度と見積もられた。これも興味深い結果である。このほか、やはりCCDと干渉フィルターによる観測から数個の新しいHH天体を発見したが、そのうちの1つはこれまでかなりよく探査がなされているはずのおうし座暗黒星雲にあり、注目される。また南天でのHH天体探査の過程できわめて特異な星雲を2個発見し、その本性を論ずる論文2編を発表した。
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