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隕石中の不溶性有機物とその前駆体としての星間物質

研究課題

研究課題/領域番号 05217202
研究種目

重点領域研究

配分区分補助金
研究機関筑波大学

研究代表者

下山 晃  筑波大学, 化学系, 教授 (30134084)

研究期間 (年度) 1993
研究課題ステータス 完了 (1993年度)
配分額 *注記
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1993年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
キーワード星間物質 / 星間塵 / 隕石不溶性有機物 / 星と惑星の形成過程 / 多環芳香族炭化水素 / 熱分解成分
研究概要

炭素質隕石中には不溶性高分子有機物が有機物としては比較的多量に含まれている。この有機物の起源を星間塵からのものと考えると、星や惑星の形成過程の中で生き残ることが必要であり、星間塵と隕石不溶性有機物の関連を明らかにすることが必要になる。このため、本研究では隕石不溶性有機物について先ずその組成と構造を解明し、その分解温度を調べることを目的とした。
研究に用いた試料は数個の炭素質隕石に含まれる無機物質をHC1/HFで溶解、除去し、得られた不溶性有機物である。これらの試料をHe気流下で10℃/minで室温から800℃まで加熱した。
昇温加熱の過程で試料から分解、放出される有機成分をガスクロマトグラフおよび質量分析計を用いて調べた。その結果、化合物として揮発性のより高いもの21種、また揮発性のより低いもの107種を同定した。これらの化合物の大部分はベンゼン、ナフタレンなどの芳香族炭化水素、およびそれらにメチル、エチル、プロピルなどの側鎖がついたものであり、他に脂肪族炭化水素、さらには、少量ではあるがO,N,Sなどを含む化合物が検出された。分解成分を直接質量分析計に導入する方法では四環式のピレン類まで測定することができた。昇温に伴い化合物が放出される温度を調べると、化合物による差はあまりなく、ほぼ350-500℃の範囲に渡っていた。これより、多少の差はあれ、不溶性有機物の各部分はこの温度範囲で一様に分解していることがわかる。これらの分解成分とその分解温度から不溶性有機物は無秩序ではあるが、基本的には種々の芳香族炭化水素が主として鎖状の炭化水素で結ばれたものであり、さらにはエーテルやエステル結合など種々の結合で結びつけられた構造も含まれていると考えられる。
このような組成と複雑な構造をもった不溶性有機物が星間塵として存在していたのかについての予測は難しい。もし存在していたのなら、星や惑星への形成過程、特に小惑星への過程、を多少の組成や構造の変化があったとしても、生き残った可能はであったと考えられる。

報告書

(1件)
  • 1993 実績報告書
  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] M.Komiya: "Examination of organic compounds from insoluble organic matter isolated from some Antarctic carbonaceous chondrites by heating experiments." Geochim.Cosmochim.Acta. 57. 907-914 (1993)

    • 関連する報告書
      1993 実績報告書
  • [文献書誌] A.Shimoyama: "Carbon isotopic compositions in Antarctic carbonaceous chondrites." Chem.Lett.1993. 371-374 (1993)

    • 関連する報告書
      1993 実績報告書
  • [文献書誌] A.Shimoyama: "Formation of carboxylic acids from elemental carbon and water by arc-discharge experiments." Bull.Chem.Soc.Jpn.67. 257-259 (1994)

    • 関連する報告書
      1993 実績報告書
  • [文献書誌] A.Shimoyama: "Dicarboxylic acids in the Murchison and Yamato-791198 carbonaceous chondrites." Chem.Lett.1994. 523-526 (1994)

    • 関連する報告書
      1993 実績報告書

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公開日: 1993-04-01   更新日: 2016-04-21  

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