研究課題/領域番号 |
05217215
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 国立天文台 |
研究代表者 |
山下 卓也 国立天文台, 光学赤外線天文学研究系, 助手 (00211631)
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研究分担者 |
田村 元秀 国立天文台, 光学赤外線天文学研究系, 助手 (00260018)
林 左絵子 国立天文台, 光学赤外線天文学研究系, 助手 (90183912)
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研究期間 (年度) |
1993
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研究課題ステータス |
完了 (1993年度)
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配分額 *注記 |
2,600千円 (直接経費: 2,600千円)
1993年度: 2,600千円 (直接経費: 2,600千円)
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キーワード | サブミリ波 / 星形成 / 偏光 / 磁場 |
研究概要 |
本年度(H5年度)は、サブミリ波用偏光器の設計と、単素子ボロメーターを用いたサブミリ波偏光のテスト観測を、波長1.1ミリと0.8ミリとで行った。その結果、得られた感度ではあるが、多くの若い星からの熱輻射の偏光を1-5%レベルで検出することができた。この偏光は若い星の星周環境の磁場構造について、他の観測手段では得難い貴重な情報を含んでいると考えられる。 若い星の進化を考える上で最も重要な、低質量原始星からTタウリ型星にいたるまでの若い星のサンプルについても、9例観測し、うち6個については有意な結果を得た。それによると、若い星の周辺環境の空間構造と磁場構造との間には一定の関係があり、それは若い星の進化に伴う周辺環境の変化、即ち、原始星からTタウリ型星への進化に伴って、エンヴェロープが取り払われディスクが残る、と考えることと矛盾していない。特に、原始星では、観測された偏光はエンヴェロープの磁場構造を表し、磁場の方向はエンヴェロープの長軸の方向に垂直かつ周りの暗黒星雲の磁場方向に平行であることが、共通な関係として見られた。これに対して、古典的なTタウリ型星であるGGTauは大きい偏光を示さなかった。これは、Tタウリ型星の(100AUスケールの)ディスクでは、磁場が無いか、あるいはあってもダストが磁場で整列を受けるような環境では無いかを表しているものと考えられる。 しかし、観測されたサンプルはまだ不十分であり、今後は、多素子ボロメータを利用した観測を実現することによって、感度・効率を改善し、統計的に十分な数の若い星を観測することが重要である。さらに、感度が十分であれば、アレイ素子の特徴を生かし、磁場の空間構造をマッピング観測によって直接描くことができるようになるだろう。
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