研究課題/領域番号 |
05218101
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
前田 恵一 早稲田大学, 理工学部, 教授 (70199610)
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研究分担者 |
二間瀬 敏史 弘前大学, 理学部, 教授 (20209141)
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研究期間 (年度) |
1993
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研究課題ステータス |
完了 (1993年度)
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配分額 *注記 |
2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
1993年度: 2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
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キーワード | 一般相対論 / 重力波 / 数値的相対論 / 非線型物理学 / 宇宙項 / インフレーション |
研究概要 |
重力波を含めた一般相対論における非線型動的現象の研究は、方程式の非線形性のため解析的アプローチにおいては、従来、問題個々に限られた範囲でのみ考察されていた。そのいくつかは非常に興味深いもので、非線形物理学としての一般相対論は一部確立されている(逆散乱法を用いた解の生成法、膨張宇宙でのソリトン解、宇宙初期やブラックホールのまわりの粒子のカオス的振舞いなど)。しかし解析的にアプローチするには限界があり、その限界を数値的相対論を使って越えようとしたり、解析的アプローチと数値的相対論との融合により、一般相対論の基礎的研究を行うという試みはいまだかってあまり行われておらず、それを重力波の動的振舞いに焦点をしぼり系統的に行うというのが本研究の特徴である。本研究では、おもに京都グループおよび二間瀬敏史教授(弘前大)と共同で、膨張宇宙における重力波の非線型的振舞いについての研究を行っている。重力波は、それ自身ブラックホールを形成するほどにその非線型性が大きくなりうるが、逆に宇宙膨張はその形成を妨げようとする。その競合過程を研究することで、重力波の非線型的性質、振舞い等についてより深い理解が得られた。またこの研究は、宇宙論におけるインフレーションの必然性の議論においても重要になり、我々のこれまでの研究で、非一様に宇宙初期の進化について多くのことが明らかになった。 さらに、我々は、現在世界的に活躍している日本人相対論研究者と相互に連絡をとり、本研究課題を拡張したテーマで「一般相対論と重力」研究会をスタートしている。本年度は、94年1月に東京大学で開催した。参加者は150名以上で、多くの若手研究者の参加、研究発表(60以上の講演)があり、この分野の研究会としては盛況なものになった。これらの成果は英文の報告集としてまとめられている。この研究会をきっかけとして、さらに多くの研究者がこの重点領域研究に興味を持ち、新しくスタートする重力波干渉計プロジェクトおよびその理論研究推進の一助となることを期待する。
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