研究課題/領域番号 |
05218201
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 弘前大学 |
研究代表者 |
二間瀬 敏史 弘前大学, 理学部, 教授 (20209141)
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研究期間 (年度) |
1993
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研究課題ステータス |
完了 (1993年度)
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配分額 *注記 |
1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1993年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | ポスト・ニュートン近似 / 3+1形式 / 対数項 / 重力波 |
研究概要 |
本年度の成果は以下の通りである。 1.重力波の直接検出との関連で最近注目を集めている一般相対論におけるポスト・ニュートン近似の新しい定式化を行った。従来、この近似法は特定の座標条件のもとで定式化されていたが、今回は種々の量の座標条件に対する依存性を明らかにするために3+1形式と呼ばれる方法を用いて定式化を行った。これによって従来得られていた輻射の反作用などの表現が、数値計算にとってより扱い易い形に求められる可能性がでてきた。 2.上記の定式化に基づいて、ポスト・ニュートン近似の高次に現れる対数発散を調べた。従来この発散は3次のポスト・ニュートン近似に現れることが指摘されていたが、実際には次数に現れる発散は物理的ではなく、座標条件の適当な設定で消せることが判明した。さらに座標条件によって消せない対数項が4次のポスト・ニュートン近似で現れる可能性を指摘した。この項は中性子星からなる連星の進化の最終段階で大きな影響をもつので、現在この項によるエネルギー放出率と輻射の反作用力を計算中である。 3.孤立系から放出される重力波の波長が背景の時空の曲率半径よりも十分小さい場合の近似法の新しい定式化を行った。この方法は、放出される重力波の時空に対する影響を非線形のかたちで含んでおり、固定された背景時空を用意する従来の取扱いでは不可能な反作用が計算できる。
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