研究課題/領域番号 |
05219204
|
研究種目 |
重点領域研究
|
配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
小柳 義夫 東京大学, 大学院・理学系研究科, 教授 (60011673)
|
研究期間 (年度) |
1993
|
研究課題ステータス |
完了 (1993年度)
|
配分額 *注記 |
2,800千円 (直接経費: 2,800千円)
1993年度: 2,800千円 (直接経費: 2,800千円)
|
キーワード | 場モデル / ポアソン方程式 / 偏微分方程式 / 連立一次方程式 / マルチグリッド法 / 共役傾斜法 |
研究概要 |
場の物理定数(拡散係数など)に著しい不均一性や異方性が含まれる偏微分方程式系など、一般に不規則場モデルとよばれるクラスの問題に対する、超並列計算機に適合した解法について研究した。特に、前年の研究で提案したマルチグリッド前処理共役傾斜法(MCCG法)の適応可能性について分析した。 物理定数が、不均一性はあるが異方性がない場合については、物理定数が不連続に100倍ないし10000倍ジャンプしているケースについても、また物理定数がランダムに分布しているケースについても、MGCG法が、単純なMG法やICCG(不完全Cholesky前処理共役傾斜法)などより、反復回数が少なく、計算時間が短く、かる並列加速率が高いことを見いだした。前処理された係数行列の固有値分布の解析から、この所見が、固有値のクラスター構造に起因していることを示した。MGCG法は今後、さまざまな実用的な問題の解法として有効であることが期待される。 物理定数に異方性が含まれる場合、とくに方向により10000倍もの違いがある場合、および異方性の方向が座標軸と角度をなす場合についてもくわしく分析した。この場合は、MGCG法よりも、ICCG法が圧倒的に収束が速い。その原因を固有値分布、物理量の伝播などの観点から分析した。MG前処理におけるsmoothing法の選択については今後の課題である。 本研究においては、並列処理に適した新しい解法MGCG法が、広い範囲の問題に対して有効であることを示した。
|