研究課題/領域番号 |
05220101
|
研究種目 |
重点領域研究
|
配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
廣瀬 通孝 東京大学, 工学部, 助教授 (40156716)
|
研究分担者 |
于 冬 東京大学, 工学部, 助手
石井 威望 慶応大学, 環境情報学部, 教授 (70010684)
|
研究期間 (年度) |
1993
|
研究課題ステータス |
完了 (1993年度)
|
配分額 *注記 |
2,900千円 (直接経費: 2,900千円)
1993年度: 2,900千円 (直接経費: 2,900千円)
|
キーワード | 仮想環境 / 人工現実感 / 物体操作 / 物理モデル / 操作性 |
研究概要 |
本研究では、仮想環境における物体操作の操作性向上をめざす。従来の操作方法は、動作を記号的に判定するための約束ごとを設け、そこから物体挙動へのリンクを行なうという、GUI等のインタフェースに類似の考え方がほとんどである。これに対して本研究では、現実空間におけると同様、動作そのものがシミュレーション的意味を持つ操作方法を実現した。 まず人工現実感システムを開発した。手の甲の位置、姿勢計測には磁気を用いた空間位置センサを、手指の関節角度計測にはデータグローブを使用した。このシステム上に、物体操作方法を実現した。 目標を「指を3本使用(親指、人指指、中指)することとし、それらが物体にほぼ滑らずにはり付いて操作を行なう」ことに設定した。 ○開発した方法:物体の周りに球を設定、指先でこの球を制御し、仮想物体の挙動をこの代表球から決定する。アルゴリズムは、「指が設定した半径の球を握ることができ、3指全てが物体の内部に入れば把持する。指が球を握れない、つまり指先三角形の外接円半径が球半径より大きければ開放する。物体挙動は球挙動に、物体中心は球中心に一致させる。球の半径は一定である」というものである。この方法では、指先と物体との関係により詳細な把持判定を行うため、従来の方法より高度なアルゴリズムであるが、球の半径を大きくすると姿勢制御が難しくなり(大きな球の端をつまんでいる状態)、球を小さくすると不用意に開放してしまう傾向がみられた。 ○改良した方法:アルゴリズムは、「球に3指が全て含まれかつ、把持点(球中心)が物体に含まれた場合把持、把持点を中心とした球から指1本でも出れば開放とする。物体の中心を強制的に把持点に一致させる。物体姿勢は球の挙動に一致する」というものである。この方法では、指の機能は姿勢制御だけとなり、把持と開放の判定が、手の状態と、手と物体との関係が分離されていると言う点で記号的であるが、ジェスチャが計測された関節角度だけから生成されるのではなく、仮想手指のモデルを含み、ある程度物理的/幾何学的な意味を持っているところが異なる。従来の方法に比べ姿勢制御はかなりの程度容易になり、全体のパフォーマンスとしても向上していることが実験により確認されている。
|