研究課題/領域番号 |
05220102
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
今泉 敏 東京大学, 医学部(医), 助教授 (80122018)
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研究分担者 |
出口 利定 東京学芸大学, 教育学部, 助教授 (50143623)
河野 守夫 神戸市外国語大学, 教授 (20073364)
小嶋 祥三 京都大学, 霊長類研究所, 教授 (70027499)
新美 成二 東京大学, 医学部(医), 教授 (00010273)
桐谷 滋 東京大学, 医学部(医), 教授 (90010032)
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研究期間 (年度) |
1993
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研究課題ステータス |
完了 (1993年度)
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配分額 *注記 |
2,600千円 (直接経費: 2,600千円)
1993年度: 2,600千円 (直接経費: 2,600千円)
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キーワード | 感性情報 / 音声 / 発達 / 非言語的情報 / ヒト / 霊長類 / 感性表出 / 感性認知 |
研究概要 |
ヒト及び霊長類の声による感性情報の表出と認知機構を以下の4点に絞って研究した。 1)声による感性情報の表現・認知において重要な、音声のイントネーション構造、時間構造、声質の制御構造を解析・モデル化する。2)幼児の感性表現と認知の形態、およびそれらの発達過程を観測・モデル化し、感性表現における生得性と習得性、個体発達過程を明らかにする。3)霊長類の感性表現と認知能力を観測・解析し、ヒト・霊長類の感性情報処理機能の基盤を比較行動学的に明らかにする。4)顔表情とジェスチャー等の疑似言語情報と音声言語情報のかかわり合いを明らかにする。以下の結果を得た。1)歌声における感性情報の表出において重要なヴィブラートの特性と声区の関係を調べた結果、ヴィブラートの大きさは影響されるものの、周波数は殆ど変化しないことが明らかになった。2)乳児が非言語的要素(感性情報)を通してコミュニケーション行動を行うための幾つかの必須条件、イ)コミュニケーションを行うのに必要な音声を乳児が発声できる、ロ)養育者は乳児音声に含まれる感性情報をある程度の規則性をもって認知できる、ハ)乳幼児は自らの発する音声の感性情報を知覚できる、を確認できた。3)チンパンジー2集団の社会的交渉とその時の音声使用を明らかにした。集団が小集団に分裂し、時々一緒になるチンパンジーでは、集団間の緊張関係を和らげるための挨拶行動が発達している。それぞれの挨拶に特有の音声があることや、Pant hootの同期という興味深い現象が明らかになった。4)ジェスチャー等の疑似言語情報と音声言語情報のかかわり合いを調べ、ジェスチャーがことばの生成や認識に深くかかわっていることが示唆された。
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