研究課題/領域番号 |
05220217
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 富山県立大学 |
研究代表者 |
大谷 芳夫 富山県立大学, 工学部, 助教授 (00192518)
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研究期間 (年度) |
1993 – 1994
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研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
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配分額 *注記 |
1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
1993年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | 知覚心理学 / 運動知覚 / 明暗情報 / 色彩情報 / ロングレンジ運動 / 運動検出器 |
研究概要 |
ヒトの視覚系における運動情報処理機構に関する興味深い知見がMurakami&Shimojo(1993)によって提出された。彼らは視野内に提示される複数の刺激によって生成される運動情報間の関係を解析し、「運動の捕捉」及び「運動の対比」として現れる2種の相互作用の刺激依存性を明らかにした。彼らの研究で得られた知見の内、等輝度近傍で「運動の捕捉」が優勢となり、輝度コントラストが高い条件では「運動の対比」が優勢になるという知見は、本研究の主たる課題である運動情報の生成機構及び色彩・輝度情報との相互作用を解明する上で重要な結果といえる。 このような知見を考慮して、本年度の研究では当初の研究計画に加え、「運動の捕捉と対比」を通して運動知覚を解析するための刺激布置及び実験デザインの開発と行った。本研究では正弦波縞パターンを用いて、上下の誘導刺激に挟まれたテスト刺激の運動方向を判断する課題を用いた。このような刺激布置を用いることによりテスト・誘導刺激間の空間関係、時間関係、輝度コントラスト・色彩関係を広範囲に変化させ、より体系的に運動情報間の相互作用を解析することが可能となった。これまで行った実験から、このような刺激布置及び課題状況で安定した「運動の捕捉」が見られること、「捕捉」の大きさは刺激の空間周波数、距離、輝度コントラストの変化にともなって組織的な変化を示すことが明らかにされた。これらの結果をふまえ、現在運動情報の相互作用に関する研究論文を執筆中である。また、運動情報を生成する基本的構成要素である静止刺激の知覚における色彩・輝度情報の相互作用を解析するための実験を行い、その成果を発表した。(「研究発表」参照)。今後はさらに「運動の捕捉」における色彩情報、輝度情報の相互作用に主眼をおいた研究を展開する予定である。
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