研究課題/領域番号 |
05221226
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 富山県立大学 |
研究代表者 |
熊本 水頼 富山県立大学, 工学部, 教授 (60026713)
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研究分担者 |
大島 徹 富山県立大学, 工学部, 助教授 (60223806)
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研究期間 (年度) |
1993 – 1994
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研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
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配分額 *注記 |
3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
1993年度: 3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
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キーワード | 拮抗二関節筋 / 機械モデル / 空気圧ゴム人口筋 / コンプライアンス制御 |
研究概要 |
生体支持運動系の上肢上腕部、下肢大腿部に相拮抗するペアとして存在する二関節筋の機能的特性を明らかにするため、3セグメント2関節からなるリンクについて、各関節に相拮抗する一関節筋群、両関節に跨って着く拮抗二関節筋群を具備した機械的筋骨格系モデルを構築し、制御工学的シミュレーション解析、空気圧制御ゴム人口筋を実装したアームロボットによる実験的解析並びにヒトを対象とした動作筋電図学的解析を並行して行い、検討を進めた。等尺的条件下で系先端に最大の力を発揮させたときの作用線の方向と系の剛性分布を調べたところ、拮抗二関節筋の存在下では両関節を結ぶ方向、生体では手関節と肩関節、或は足関節と股関節を結ぶ方向が最も剛性が高くなり、作用線の方向と二関節筋群の活動様相の変化並びに系の出力の変化はヒトの動作筋電図学的解析結果と一致していた。また作用線の方向が変化しても剛性分布を示す楕円の方向と形状に変化は見られなかった。ところが二関節筋がなく拮抗一関節筋のみの場合、最も剛性の高い方向は手関節或は足関節と、肩関節と肘関節の中間或い股関節と膝関節の中間を結ぶ方向となった。さらに作用線の方向の変化は剛性分布を示す楕円の方向並びに形状の変化をもたらした。一関節主働2のみの場合楕円の変化はさらに大きくなった。すなわち拮抗二関節筋の存在は生体支持運動系に擾乱が加えられた場合、常に安定した対応を可能にしていると言える。昨年度拮抗二関節筋の存在が運動系先端の位置と力の独立制御を可能にすることを明らかにしたが、それに加えて安定した剛性制御をも容易にしていることが明かとなった。生体支持運動系は拮抗二関節筋の存在で、末梢からのフィードバック情報無しでも、滑らかで正確、かつ多少の擾乱にも安定した動作を可能にしていると考えられる。
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