研究課題/領域番号 |
05221232
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東京女子医科大学 |
研究代表者 |
豊田 敬 東京女子医科大学, 医学部, 助手 (80227660)
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研究期間 (年度) |
1993
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研究課題ステータス |
完了 (1993年度)
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配分額 *注記 |
2,700千円 (直接経費: 2,700千円)
1993年度: 2,700千円 (直接経費: 2,700千円)
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キーワード | 関節軟骨細胞 / 機械的負荷 / コラーゲン / 細胞内伝達機構 |
研究概要 |
1.目的:関節手術後のcontinuous passive motionが関節軟骨の変性防止に有用であることから、機械的負荷刺激が関節軟骨の恒常性維持・回復に必要であると考えられる。機械的負荷刺激がいかなる機構で軟骨組織に影響を与えるかを解明するために、細胞膜の歪みおよび負荷刺激の細胞内伝達機構について検討する。 2.材料および方法:日本白色家兎の膝関節より関節軟骨を採取し、酵素的に細胞を分散してから可塑性の底を持つ培養器の上で単層培養し、大気圧の吸引によって底を歪め軟骨細胞に伸張負荷を加えた。伸張前後の軟骨細胞を写真撮影し、画像解析により個々の細胞の伸張率を測定した。軟骨細胞が最大35%伸張される負荷量で、頻度は3秒の伸張および3秒の休止のサイクルとして、負荷刺激を24時間行った。負荷刺激を加えた間の^<35>S-sulfate、^3H-prolineの取り込み率からプロテオグリカン、コラーゲンの生合成を分析し、ELISA法によりproteoglycanase、collagenaseの活性を測定すると共に、ELA法によりcAMPの定量を行い細胞内伝達機構について検討した。 3.結果:周期的伸張負荷を加えることにより、軟骨細胞の配列は伸張負荷の軸に直行する方向に変化した。^<35>S-sulfateの取り込み率は、負荷刺激を加えても明らかな変化を認めなかったが、^3H-prolineの取り込み率は有意に増加し、その変化は培養液中よりも細胞層において顕著であった。一方、proteoglycanaseおよびcollagenaseの活性は負荷刺激によっても明らかな変化を認めず、またcAMP量は負荷刺激により有意に増加した。 4.考察:今回の結果より周期的伸張負荷に対しては軟骨細胞がコラーゲン優位にマトリックス合成を増加し、さらに細胞配列を変化させることにより、細胞周囲の構築を強化する事が判明した。また伸張負荷の刺激は細胞が変形することにより、cAMPを介して細胞内シグナルとして伝達されていると考えられた。
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