研究課題/領域番号 |
05221238
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 関西大学 |
研究代表者 |
大場 謙吉 関西大学, 工学部, 教授 (30029186)
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研究分担者 |
宮田 隆志 関西大学, 工学部, 助手 (50239414)
浦上 忠 関西大学, 工学部, 教授 (80067701)
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研究期間 (年度) |
1993
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研究課題ステータス |
完了 (1993年度)
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配分額 *注記 |
3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
1993年度: 3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
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キーワード | 血管壁と血流の相互作用 / 体外力学モデル / 模擬血管と模擬血液 / 曲り部を通る拍動流 / 流れの自励振動 / リサジュー図形 / 管軸張力の影響 / 光ファイバーレーザー流速計 |
研究概要 |
生体内の弾性血管壁と血流の相互作用に関する研究の一環として、(1)動脈血管を模擬したポリビニルアルコール製柔軟弾性管内に血液を模擬したアルギニン酸製の柔らかい微粒子と水の二相流を流し、流動特性を調べ、一方、(2)動脈血管や冠動脈を模擬した薄肉ゴム弾性管(コラプシブルチューブ)内の流れ、特に自励振動の動特性と管挙動を実験と数値計算の両面から調べた。また、(3)血管曲り部を部分的に模擬した剛曲円管モデル流路を通る拍動流中の瞬時・局所の速度場をレーザー誘起蛍光法を用いて詳細に調べ、(4)生体内の血流の局所速度を測定するための光ファイバーレーザー流速計(FLDV)の開発研究を発展させた。(1)では、製作した模擬血管の弾性特性レーザー光透過特性を調べ、一方、製作した模擬血液の粒径分布や弾性特性を調べた後、流動実験を行ない、血流をどの程度まで模擬できるかの解析を行ないつつある。(2)では、自励振動中の管の上下流の流量差の瞬時値と管の上下流端の圧力差の瞬時値とでリサジュー図形を描かせ、管内外圧差による管が流体に成す仕事と流体が管に成す仕事との関係を定量的に調べた。一方、振動時の管挙動と管内の流れ場が高速ビデオカメラとLDVにより測定され、下流圧力のスパイク状の急峻な低下は管のつぶれによる水撃現象によって引き起こされること、管の凹みの上流への伝播によるスパイク状の誘起速度場が上流流量波形に影響を与えていることが明らかにされた。(3)では、定常流では曲り部の内壁側に付加的な渦対が偶数個発生し、複雑な流れ構造を形成していること、拍動流では減速期末期に内壁近くに数個の渦対が発生し、加速期初期まで存在していること、振動境界層は内壁側が外壁側よりも厚く、位相も内壁側の方が進んでいることが明らかにされた。(4)では、血液透過性の良い半導体レーザーの使用により血管中に直接プロープを挿入して局所流速を計り得る可能性が示された。
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