研究概要 |
超臨界流体を含む系の相平衡を推算する際,溶液を構成する成分の化学式に基づくグループ寄与法は工学的に興味ある方法であり,本研究の目的は,過剰自由エネルギーのグループ寄与に基づく推算法であるASOGやUNIFACを用いる.超臨界流体を含む系の相平衡推算法を開発することである. 本年度は,工学的に広く使われているPeng-Robinson状態式中のエネルギーパラメータとサイズパラメータを圧力零における過剰自由エネルギーg^Eoを用いて表す昨年度に導出した混合則に,統計力学的に厳密な第二ビリアル係数の組成依存性を修正した次の条件を組み合わせる混合則を提案した. 次にg^EoをASOGとUNIFACで推算して求める状態式・グループ寄与法を検討するために,先ず,アルコール,ケトン,水を含む2成分系と3成分系高圧気液平衡を常圧用グループ対パラメータを用いて推算した.また,二酸化炭素に関するグループ対パラメータを決定し,二酸化炭素と芳香族炭化水素(ベンゼン,ナフタレン,フェナントレン)からなる2成分系の高圧気液平衡と固気平衡の推算を行った.さらに,状態式・グループ寄与法の推算精度の向上と適用範囲の拡張に必要な相平衡データベースの基本部分を構築した.
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