研究課題/領域番号 |
05223205
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 岩手大学 |
研究代表者 |
中嶋 英雄 岩手大学, 工学部, 教授 (30134042)
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研究分担者 |
永田 晋二 東北大学, 金研, 助手 (40208012)
ウオルフガング シュプレ 岩手大学, 工学部, 助手 (70250636)
山口 明 岩手大学, 工学部, 講師 (60242129)
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研究期間 (年度) |
1993
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研究課題ステータス |
完了 (1993年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1993年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | 金属間化合物 / 拡散 / 反応拡散 / 相互拡散 / 規則構造 / アルミナイド |
研究概要 |
本研究の目的は(1)L1_2型金属間化合物Ni_3Ge,Co_3TiおよびB2型金属間化合物CoTiにおける金属元素の自己拡散、(2)L1_0型金属間化合物γ-TiAl中の相互拡散、および(3)L1_0型金属間化合物γ-TiAl中の酸素の拡散に関する系統的な研究を行ない、それらの拡散機構を解明することである。 1. L1_2型金属間化合物Ni_3Ge,Co_3TiおよびB2型金属間化合物CoTiにおける金属元素の自己拡散および不純物拡散の測定: アーク溶解によりNi_3Ge,Co_3TiおよびCoTi金属間化合物試料を作製した。放射性同位元素によるトレーサー法を採用し、またイオンビームスパッタセクショニング拡散測定装置を用いてNi_3Ge中のNiとGeの両構成元素の自己拡散係数を測定した。また、Co_3TiおよびCoTi中のTiの自己拡散の測定を行なうために、従来、入手が因難な^<44>Tiは、原研高崎研のAVFサイクロトロン・照射装置を用いて^<45>Sc(p,2n)^<44>Ti反応を利用して^<44>Tiを製造することができた。今後、この^<44>Tiを用いて自己拡散の測定を行う予定である。 2. L1_0型金属間化合物γ-TiAl中の相互拡散の測定: アーク溶解により組成の異なるγ-TiAl金属間化合物を作製した。クランプ法により拡散対を作製し所定の時間、所定の温度での拡散アニールを行い、相互拡散実験を行なった。拡散処理後の濃度分布をX線マイクロアナライザーを用いて調べた。その結果、γ-TiAl中の相互拡散係数はTiの自己拡散係数と同程度の大きさであることが判明した。γ-TiAlの高温における活量の測定結果を用いて従来、測定不可能であったAlの自己拡散係数の決定が可能になった。 3. L1_0型金属間化合物γ-TiAl中の酸素の拡散の測定: イオン加速器を用いてL1_0型金属間化合物γ-TiAlに酸素-16をイオン注入した。超高真空中で所定の時間、所定の温度での拡散アニールを行ない、拡散処理後の濃度は核反応^<16>O(^3He,^4He)^<15>Oを利用した核反応検出法を用いて測定し、酸素の拡散係数を決定した。その結果、金属中の酸素の拡散としては最も遅いとして知られるチタン中の拡散よりも5桁も遅いことが明らかになった。これは金属間化合物における原子の共有結合性によるものと考えられる。
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