研究概要 |
本研究では金属間化合物および金属間化合物複合材料の熱衝撃破壊特性の力学的観点からの検討を行っている。 〈研究進展状況と本年度の研究成果〉 本年度は欠陥を有する金属間化合物および金属間化合物複合材料の解析モデルとして縁き裂を有する直交異方性帯板を考え熱衝撃解析を行い,応力拡大係数の時間的挙動に及ぼす幾何学的形状,Biot数および直交異方性の影響を明らかにした(詳細はProceedings of the 3rd Japan International SAMPE Symposium参照)。 また,不均質界面層を有する繊維および粒子強化金属間化合物複合材料の弾性波伝播特性の理論解析を行った。複合材料の有効特性に及ぼす界面層特性の影響を解明することは,プロセス制御により界面層を適当に修正して減衰を定量的に増大あるいは減少させることを可能にする。また,得られた有効P波およびS波の位相速度より金属間化合物複合材料の弾性定数が計算できる。数値例としてSiC繊維強化TiAl複合材料を考え,繊維に垂直な面内の弾性定数を波動伝播解析より求めた。繊維方向の弾性定数についてはSihの複合則より求めた。このようにして得られた弾性定数を用いて熱衝撃解析を行い,界面層特性が金属間化合物複合材料の熱衝撃破壊特性に及ぼす影響について詳細な検討を行った(詳細は日本機械学会第71期通常総会で発表予定)。 さらに今後の予定として代表的な金属間化合物の熱衝撃破壊抵抗,熱衝撃損傷抵抗の検討,材料特性の温度依存性を考慮した熱衝撃解析および表面に酸化物スケールが形成された場合の熱衝撃解析等を考えている。
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