研究課題/領域番号 |
05223208
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
箕西 靖秀 東北大学, 金属材料研究所, 助手 (70005958)
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研究期間 (年度) |
1993
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研究課題ステータス |
完了 (1993年度)
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配分額 *注記 |
2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
1993年度: 2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
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キーワード | 金属間化合物 / D019型構造 / チタンアルミナイド / 非化学量論組成 / 異常降伏応力現象 / 錐面辷り / 柱面辷り / 底面辷り |
研究概要 |
Ti3Al(α_2相)は軽量・耐熱構造用材料としてのみならず、TiAl化合物の強靭化相としても重要である。本研究ではTi3Al系金属間化合物の変形と破壊の機構のみならず、TiAlの力学特性に及ぼすα_2相の影響を明らかにする為の知見を得ることをも目的としている。そのため、Ti3Al化学量論組成の両側の5種類の組成(Ti-21.7Al、-24.0Al、-27.1Al、-33.5Al、-34.5Al;数値はmol%)の化合物単結晶を育成し、非化学量論組成の力学的性質に及ぼす影響を調べた。力学的性質は、負荷応力軸とc軸とのなす角(φ)が、φ=0゚(A)、φ=45゚(B)、φ=90゚(C)の試験片について-196℃から1000℃までの温度範囲で圧縮試験することにより調べた。各試片の力学的性質を理解するために、表面観察による活動辷り系の決定、走査電顕による破面観察及び透過電顕による転位組織観察を行い、転位の性格及びAPB変位ベクトル等を決定し、巨視的現象を微視的な観点から考察した。非化学量論組成に起因する巨視的現象を以下に列挙する。 1)A方位では全ての組成の試験片で錐面辷りが活動する。その降伏応力は-196℃から室温までは減少し、以後、上昇して最大値に達した後急減し、いわゆる異常降伏応力現象を示す。 2)この異常降伏応力現象において最大降伏応力に達する温度は、試料組成が化学量論組成のどちら側の組成であっても、常に低温側に変位する。 3)C方位では柱面辷りのみが起こる。降伏応力はいずれの試片においても温度と共に単調に減少する。化学量論組成のどちら側の組成でも固溶体硬化を生じ、硬化量は化学量論組成より増加する元素の濃度(Ci)と化学量論組成におけるその元素の濃度(Cc)の差(Ci-Cc)に比例する。固溶体硬化に関するこの関係は錐面辷りについても成立する。 4)B方位では、いずれの組成の試験片でも柱面辷りが先行し、ある程度の加工硬化の後に底面辷りが起こる。
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