研究課題/領域番号 |
05223220
|
研究種目 |
重点領域研究
|
配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
足立 裕彦 京都大学, 工学部, 教授 (60029105)
|
研究期間 (年度) |
1993
|
研究課題ステータス |
完了 (1993年度)
|
配分額 *注記 |
2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
1993年度: 2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
|
キーワード | 金属間化合物 / クラスターモデル / DV-Xα法 / 電子状態 / 化学結合状態 / 機械的性質 |
研究概要 |
まずTi-Al系金属間化合物を取り上げ、L1_2型およびDO_<22>型化合物のモデルクラスターTinAlmの電子状態をDV-Xα法を用いて計算を行った。現在までの結果によると次のようなことが言える。最初にL1_2型およびDO_<22>型化合物のモデルクラスターAl_9Ti_4を考え、Tiを他の3d遷移金属元素で置き換えたクラスターについて計算したところ、置換金属の原子番号が大きくなるとともに共有結合性が小さくなることがわかった。これはバンドの下部は結合性のバンド、上部では反結合性のバンドの性質を持つために電子がつまっていくと、結合次数が小さくなっていくことで説明できた。つぎにAl_3Tiの第二次近接までの原子を考えた19原子のクラスターの計算を行い、原子間の化学結合の強さを表す結合次数を求めた。特に元素を添加したときなどの原子配列が不規則になったときの結合次数の変化を調べ、相の安定性を検討した。Al_3Tiにおいて、DO_<22>型構造とL1_2型構造と計算したところ、結合次数の視点から比較すると、DO_<22>型構造の方が原子間の結合次数が大きく、逆にCrを添加したクラスターではL1_2型構造の方が結合次数が大きくなり、実在の結晶構造の方が安定であることが分かった。つまり、結合次数を用いて原子間の結合を考えることにより、今後詳細な検討が必要であるが、分子軌道の結合性の議論から相の安定性が理解でき得ることが分かった。
|