研究課題/領域番号 |
05225206
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
秋鹿 研一 東京工業大学, 大学院・総合理工学研究科, 教授 (20016736)
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研究期間 (年度) |
1993
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研究課題ステータス |
完了 (1993年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1993年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | 窒素分子活性化 / ルテニウム / アンモニア合成 / 触媒 / 吸着窒素分子 / 吸着窒素原子 / 電子供与効果 / 水素毒効果 |
研究概要 |
ハーバー法鉄触媒に代わり、ルテニウム触媒は第二世代のアンモニア合成触媒として工業的使用が始まった。当研究室の過去の発見がこの技術のきっかけとなっている。N_2とH_2とによるアンモニア合成反応はN_2の解離吸着を律速段階とする。従って窒素活性化の基礎的研究は重要である。ルテニウム触媒上での窒素活性化は共存する促進剤化合物(CsOH等)からの電子供与により促進される一方、共存水素により窒素活性化が阻害されることが多い。この電子供与と水素被毒効果を明らかにすることが重要な課題である。昨年見出した希土類化合物の担体としての促進作用について本年はその機構を調べたところ、ルテニウムと接する部分の希土類(特にCeO_2)が還元される事を見出した。一般に希土類酸化物はアルカリ金属酸化物に較べると塩基性も小さく、電子供与能も小さいと思われていたが、還元された担体部分からルテニウムへの電子供与が大きな役割を持つことが見出された。また更に興味深いことに水素の被毒効果を減ずる働きのあることも明らかとなった。一方担持Ru触媒上ではじめて吸着N_2分子と吸着H原子をFTIRによりスペクトルとして観測することに昨年までに成功したが本年は吸着H原子に3種類(直線型、架橋型、三中心型)あることを見出し、温度による安定性を調べた。吸着N_2分子の伸縮振動の波数が、Ru/MgO上では2168cm^<-1>、Ru-CsOH/MgO上では2121及び2035cm^<-1>であるが、これらが少量の吸着H原子により吸着阻害や置換反応阻害を受けることを見出した。定量的な検討によりHやN_2の吸着状態を明らかにするとともに、相互作用のモデルを提案した。このようにアンモニア合成触媒の設計に役立てるべく、FTIRを用いた吸着状態の解明を進めた。
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