研究課題/領域番号 |
05225223
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
中戸 義禮 大阪大学, 基礎工学部, 教授 (70029502)
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研究分担者 |
八重 真治 大阪大学, 基礎工学部, 助手 (00239716)
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研究期間 (年度) |
1993
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研究課題ステータス |
完了 (1993年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1993年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | 二酸化炭素 / 半導体電極 / 光電解還元 / 金属超微粒子 / 光電気化学 / シリコン / 銅 |
研究概要 |
本研究では、太陽エネルギーによる二酸化炭素(CO_2)の有用な有機物への変換を目指して、半導体電極を利用したCO_2の光電解還元について研究した。半導体としてはp型シリコン(p-Si)を用い、この表面に銅を光電気化学的方法により微小な粒子状に電析して電極とした。この型の電極は、これまでの湿式太陽電池の研究から、金属(銅)が5ナノメートル程度の大きさでまばらに付けられたとき、高い光起電力を発生し、かつ、安定で、高い触媒活性を示すという理想的な性質を示すことが予想される。本研究では、まず、上述のように作製した電極で銅がうまく微粒子状に付いているかどうかを見るため、この電極を用いて1MHC1水溶液中で光水素発生の実験を行った。その結果、理論的な予想通り0.4Vという大きい光起電力が観測され、銅がうまく付いていることが確かめられた。次に、この電極を用いて、CO_2を飽和させた0.1MKHCO_3水溶液(pH6.6)中でCO_2の光電解還元を行った。微粒子銅を付けたp-Si電極上のCO_2の光電解還元電流は、金属銅電極上での還元電流に比べ、0.4V正の電位より流れはじめ、はっきりと光起電力による電位シフトが観測された。裸のp-Si電極や連続な銅薄膜を付けたp-Si電極では、このような光シフトはほとんど観測されなかった。また、裸のp-Si上でのCO_2の光還元では、ギ酸、一酸化炭素、水素のみが生成したが、微粒子銅を付けたp-Si電極では、この他にメタン、エチレンの生成がみられ、p-Si電極表面の銅微粒子の触媒作用が明確に示された。以上の結果のように、今年度の初期の目的はほぼ達成された。来年度は、金属の付け方をさらに検討し、光シフトの大きさや電流効率、選択性について定量的な結果を得たいと考えている。
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