研究概要 |
3座配位子、Ph_2PCH_2P(Ph)CH_2PPh_2(dpmp)とパラジウム2核錯体〔Pd_2(Xy1NC)_6〕^<2+>(Xy1=2,6-Me_2C_6H_3)との反応は容易に進行し、錯体〔Pd_2(Xy1NC)_2(dpmp)_2〕^<2+>が生成する。1はdpmpの1および3位のリン原子が金属にキレート配位した構造をもつ。1に光を照射すると容易に1分子のXy1NCが離脱し、骨格の大きな変化を伴い、4配位と5配位(金属・金属結合を含む)の金属サイトをもつ錯体2〔Pd_2(Xy1NC)(dpmp)_2〕^<2+>に変化する。この錯体2にXy1NCを加えると1に戻り、反応は可逆的である。 3核錯体、〔Pd_3(Xy1NC)_8〕^<2+>との反応はイソシアニドとの置換が起こり、〔Pd_3(Xy1NC)_2(dpmp)_2〕^<2+>3を与える。錯体の骨格はA-frameで、3座ホスフインの1、2位のリン原子が外側のパラジウムに結合し、残りの末端(3位)のリン原子が真ん中のパラジウムに結合している。2分子のイソシアニドは1、3位のパラジウムに末端配位している。錯体3は錯体2とPd_3(Xy1NC)_6との反応によっても得られる。 〔Pt_2(Xy1NC)_6〕^<2+>にdompを加えると2種類の同じ組成をもつ錯体(4,5)〔Pt_2(Xy1NC)_2(dpmp)_2〕^<2+>が得られる。橙色錯体4は錯体2の1つの末端のリン原子がイソシアニドと置換したタイプの構造をもち、黄色錯体5の構造はスペクトルから錯体4の異性体と推定された。これらの錯体はいずれも非配位リン部位を持っているので、このサイトへの反応について検討している。
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