研究課題/領域番号 |
05226213
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 電気通信大学 |
研究代表者 |
野上 隆 電気通信大学, 電気通信学部, 教授 (80029280)
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研究分担者 |
石田 尚行 電気通信大学, 電気通信学部, 助手 (00232306)
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研究期間 (年度) |
1993
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研究課題ステータス |
完了 (1993年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1993年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | 有機強磁性体 / ラジカル / X線結晶構造解析 / ピリミジン / バナジル錯体 / 銅錯体 / 三重項 |
研究概要 |
平成五年度の最も注目すべき成果として、完全に有機物よりなる強磁性体を3種、錯体よりなる分子性強磁性体を2種見い出したことが挙げられる。特に、単一の有機ラジカル結晶の強磁性体は従来2種が知られているのみであったが、本研究で見い出された物質は史上第三、四、五番目のものである。 我々は芳香族環とアゾメチンで結合したTEMPOラジカル誘導体で、強磁性的相互作用を有するものを見出した。測定を行なった21種のTEMPO誘導体類のうち7種が強磁性的相互作用を示したが、この誘導体の系は従来の常識に反してその性質を示す確率が極めて高い。それらのヘリウム希釈冷凍機の温度領域での交流磁化率、磁化曲線の測定を行なった。その結果、芳香族としてフェニル、ビフェニル、p-クロロフェニルのものがそれぞれ0.18,0.4,0.4Kで強磁性転移を起こし、2-ナフチルのものが0.12Kで反強磁性転移を起こすことが解かった。また、幾つかのものについては室温におけるX線結晶構造解析を行なった。前二者の構造解析によれば、このN-O部分は二次元ネットワークを形成している。 別のアプローチとして、スピン源として遷移金属イオンを用い芳香族環としてピリミジンで架橋配位させ、d軌道上のスピンを平行にすることを試みた。ピリミジン誘導体を架橋配位子とするバナジルニ核錯体は、全ての場合に分子内強磁性的相互作用を示した、つまり基底三重項であった。分子内における交換パラメーターは1.1〜2.7Kであった。無置換配位子の場合は、分子間においても強磁性的相互作用が働いており、これは140mKで強磁性体に相転移することが解かった。分子間の強磁性的相互作用はキナゾリンの銅錯体でも見られ、これも極低温の測定により強磁性体転移することが解かった。
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