研究課題/領域番号 |
05226219
|
研究種目 |
重点領域研究
|
配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
天谷 喜一 大阪大学, 基礎工学部, 教授 (80029503)
|
研究分担者 |
蒲池 幹治 大阪大学, 理学部, 教授 (40028163)
長谷田 泰一郎 大阪大学, 基礎工学部, 名誉教授
石塚 守 大阪大学, 基礎工学部, 助手 (30184542)
小林 達生 大阪大学, 基礎工学部, 助手 (80205468)
|
研究期間 (年度) |
1993
|
研究課題ステータス |
完了 (1993年度)
|
配分額 *注記 |
1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
1993年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
|
キーワード | 有機分子 / 磁気的相転移 / 強磁性 |
研究概要 |
本研究の目的は、単純な構造をもつ有機分子結晶を対象に磁気測定を行い磁性の詳細、とりわけ磁気相転移、異方性、秩序状態、スピン構造等を解明する事である。 研究成果 MOTMP及びMATMPは、NOラジカルが磁性を担う有機分子結晶で天々正のワイス温度をもつ磁性体である。50mKの極低温に至る磁化率磁化の測定を行った結果は、一次元強磁性体としての高温域のふるまいがT_N=0.15Kにおいて反強磁的な3次元的長距離秩序状態に転移する事がわかった。T_N以下の温度で、良質の自作単結晶を用いた磁化過程の観測結果から容易軸型反強磁性体の特徴であるスピンフリップ転移が発見された。磁気的異方性の起源を双極子相互作用に求めた理論的解析が実験をよく説明することから、スピン構造のモデルを提出するに至っている。唯MOTMPとMATMPは鎖間相互作用に違いがあり、その事と関連してMATMPではMOTMPにみられない弱い強磁性効果が見られたが現在解明中である。 現在、3次元強磁性体を示す物質を探索中であるが、最近P-CDTVにおいて0.6K及び0.7Kにおいて強磁性的遂次相転移を見出している。未だスピン構造決定には至っていないが、強磁性を示す新しいラジカルとして注目に値すると考えている。以上の様に新試料の開発・単結晶作成に成果を挙げる一方で、転移の圧力効果をねらった特製の圧力容器とクライオスタットも製作中である。
|