• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 前のページに戻る

分子磁性体の強磁性共鳴

研究課題

研究課題/領域番号 05226225
研究種目

重点領域研究

配分区分補助金
研究機関岡山大学

研究代表者

大嶋 孝吉  岡山大学, 理学部, 教授 (10114414)

研究分担者 阿波賀 邦夫  東京大学, 教養学部, 助教授 (10202772)
山嵜 比登志  岡山大学, 理学部, 教授 (40013495)
研究期間 (年度) 1993
研究課題ステータス 完了 (1993年度)
配分額 *注記
1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
1993年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
キーワード有機強磁性体 / 強磁性共鳴 / 磁気異方性 / 液体ヘリウム3温度 / g値 / 形状効果 / 非線形吸収 / foldover効果
研究概要

強磁性分子磁性体β相_P-NPNNは転移温度が0.6Kであり^<1)>,これまで2K以上でESRの測定報告^<2)>があるが強磁性共鳴の報告はなかった.
第一に低温での共鳴の吸収線形が高温と大きく異なることを見出した.第二にこれまで報告のあったg値の温度依存性は試料の形状効果による部分がほとんどであることを明らかにした.第三に共鳴磁場の温度依存性に本質的な異方性を見出した.
これまでの報告では強磁性的な相互作用をもつ系は,低温でのg値は室温でのg値から温度に依存して大きくずれるとされてきた.しかし強磁性磁気共鳴で注意すべきなのは試料の形状効果であり,常磁性状態でも試料の磁化が大きくなると形状効果は無視できない
試料はいわゆるボンド法により回転楕円体とし,結晶軸の決定をX線回析で行いg値の温度変化,角度依存性を測定した.測定周波数はXバンドとし,試料は石英製断熱2重管デュワーを用い液体ヘリウム3温度とした.
0磁場の転移温度に近い温度ではβ,γ相とも通常の線型からかなり歪んだ非線型な複数の磁気共鳴を観測した.複数の共鳴の間隔が低温になるにつれて拡大し,磁化が成長する様子が観測できたため原因はウオーカーモードと考えられる.波形の異常な振舞はFoldover効果と呼ばれている.形状が球に近い試料でもこのような効果が現れるのは系の磁気異方性と密接に関連していると考えられる.共鳴磁場の温度依存性は整形楕円試料では非整形の場合より減少し,さらにa方向に薄い板状に整形した試料では変化の方向は逆転する.このような振舞は試料の形状効果と考えるべきである.またb方向では1K以下で減少せず低温でやや増加する.b,c方向に異方的な振舞が現れた原因は強磁性異方性磁場がb方向に現れたと解釈すれば説明がつく.

報告書

(1件)
  • 1993 実績報告書

URL: 

公開日: 1993-04-01   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi