研究課題/領域番号 |
05227214
|
研究種目 |
重点領域研究
|
配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
小原 繁 京都大学, 理学部, 助手 (80160935)
|
研究期間 (年度) |
1993
|
研究課題ステータス |
完了 (1993年度)
|
配分額 *注記 |
1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
1993年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
|
キーワード | 分子積分 / 漸化表式 / 高角運動量関数 / ガウス基底関数 / 高速計算法 |
研究概要 |
電子相関を考慮した電子波動関数は分子系の物理学・化学的性質や反応を理論研究する上で不可欠である。しかし、従来の配置間相互作用法や摂動法では、近年の電子計算機の高速化と計算アルゴリズムの改善をもってしても、超大型分子系に容易には適用できない。電子相関を表わす因子を電子波動関数にあらわに組み込むことによってこれを解決する方法を考案すること、この量子化学計算に必要になる分子積分の表式を実際に求めること、この表式に基づいて効率よく求値する方法を開発することを本研究の目的にした。 電子波動関数Ψを電子間距離r_<ij>(〓|r_i-r_j|)を含む「相関因子」Cと含まない因子Φの積で表わしておき波動方程式に代入することによりΦに関する方程式H'Φ=EΦを得た。通常のハミルトニアンHでの電子間相互作用の項Σ_<i<j>(1/r_<ij>)がこのハミルトニアンH'では4つの項に置き換わることと、3電子演算子が現われることが特徴的である。 H'中のこれらの演算子の分子積分の表式はhypergaussian functionsを基底にした一般漸化表式から簡約できること、また、その表式が漸化表式になるので効率よい計算が可能であること、さらに、実際に求値する時には「基本演算の集合に分解する」を利用できることを明らかにした。 補助金で購入したワークステーション(WS)によりこれらの分子積分を求値するプログラムを作成しつつある。WSを入手してから間もないためプログラム作成は完了していないが、これを完了してH'を用いる方法がどの程度電子相関を考慮できるものになっているかを実際の分子系について明確にすることが今後の課題として残っている。
|