研究課題/領域番号 |
05227219
|
研究種目 |
重点領域研究
|
配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 山口大学 |
研究代表者 |
堀 憲次 山口大学, 教養部, 助教授 (30165568)
|
研究期間 (年度) |
1993
|
研究課題ステータス |
完了 (1993年度)
|
配分額 *注記 |
1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1993年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
|
キーワード | アミド / アルカリ加水分解 / 反応経路 / 理論的研究 / 非経験分子軌道法 |
研究概要 |
1.本研究では、アミドのアルカリ加水分解における4面体型(TD)中間体が分解する時の生成物としてR^1R^2N^-が生成する機構1と、アミン部分が水素を引き抜きながらR^1R^2NHを生成する機構2の検討を行った。 2.N-メチルアセトアミドの場合、経路1の生成物CH_3NH^-と酢酸はTD中間体に比べΔE_2=50.1kcal/mol不安定すると計算された。一方、経路2の活性化エネルギー(ΔE(TS)=22.3kcal/mol)はΔE_2に比べればかなり小さい。従って、気相反応では経路2が有利であることがわかる。 3.アセトアニリドでは、経路1の生成物はΔE_2=22.3kcal/molの不安定化、ΔE(TS)は12.8kcal/molと、N-メチルアセトアミド比べると半分以下と計算された。ΔE_2とΔE(TS)の差は9.5kcal/molで、アセトアニリドにおいても、気相反応では経路2が有利である。N-アセチルイミダゾールのΔE_2は13.1kcal/molと小さく、この値とΔE(TS)(5.6kcal/mol)との差は7.5kcal/molと他のアミドに比べて小さい。経路2は、R^1R^2N^-の生成の困難さとあまり関係なく、計算した全てのアミドに適用可能であった。 4.経路2の遷移状態の位置と活性化エネルギーは、生成するアミンの種類に大きく変化した。これは、C-N結合解裂に伴う不安定化を共鳴安定化が緩和するため、共鳴が望める系の遷移状態はそれが望めない系に比べて反応物に近くなり、同時に活性化エネルギーも低下すると考えられる。従って、アニオンの共鳴安定化の大小を考えることにより、活性化エネルギーの高低や遷移状態の位置を説明することができる。
|