研究課題/領域番号 |
05229006
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
神島 芳宣 熊本大学, 理学部, 助教授 (10125304)
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研究分担者 |
吉田 朋好 東京都立大学, 理学部, 教授 (60055324)
相馬 輝彦 東京電機大学, 理学部, 助教授 (50154688)
大鹿 健一 東京工業大学, 理学部, 助教授 (70183225)
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研究期間 (年度) |
1993
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研究課題ステータス |
完了 (1993年度)
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配分額 *注記 |
1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1993年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | Integrability / Conformally flat structure / CR structine / quaternionic structure / rigidit / 共形変換 / Cauchy-Riemann変換 / 幾何構造 |
研究概要 |
多様体上の幾何構造に関する積分可能性とその性質を調べることを研究目的として、研究を進めた。 昔からの問題として、コンパクト多様体Mに大きな群がM上のあたえられた幾何構造を保つように作用している時、その多様体はrigidか(一意的に決まるか?)というものがある。この問題を肯定的にサポートするものとして小畑(Lelong-Ferrand)の定理がある:すなわち、n次元コンパクトリーマン多様体にたいし、共形変換全体の作る群の連結成分、Conf^0(M)がコンパクトでないなら、Mは標準球面S^nに共形的に同値である。我々はこれに対するcomplex versionとしてのCR多様体について考え、上の問題を肯定的に解いた。 定理1.2n+1次元コンパクト強疑凸CR多様体上のCR同型写像の作る群の連結成分、Aut_<CR>(M)^0がコンパクトでないなら、Mは標準球面S^<2n+1>にCR-同値である。 この結果を導くための最初のステップは幾何構造を保つ大きな群が多様体に作用しているとき、その多様体の幾何構造は積分可能になることを示すことである。その積分可能性はテンサーの言葉で言い換えると、共形多様体の時は積分可能な共形構造をもつときでWeyl曲率テンサーがvanishすることを意味しその多様体は共形平坦多様体になる。またCR多様体が積分可能なCR構造をもつとき、Chern-Moser曲率テンサーがvanishすることになりその多様体はspherical CR多様体になる。さて、この二つは同じモデル空間として球面をもっているが、違いはそれぞれ実双曲空間、複素双曲空間の境界として与えられていることである。なぜなら内部のisometryはその境界上にそれぞれ共形変換、Cauchy-Riemann変換として作用しているからである。我々は自然に四元数双曲空間H^<n+1>_Hの境界として球面S^<4n+3>を考えることができる。上と同様、H^<n+1>_H上のIsometry群Iso(H^<n+1>_H)はその境界S^<4n+3>上に自然に作用する.それをAut_<HSp>M)^0とかくことにすれば、対(Aut_<HSp>(M)^0,S^<4n+3>)をモデル空間とする4元数平坦構造が定義される。最初のステップとして次のrigidityを証明した。 定理2.4n+3次元コンパクト4元数平坦多様体Mの4元数平坦構造を保つ同型写像の作る群のの連結成分、Aut_<HSp>(M)^0がコンパクトでないなら、Mは標準球面S^<4n+3>にquaternionically-同値である。 この結果は今後、多様体上の4元数幾何構造の積分可能性の問題に役に立つであろうと期待される。
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