研究課題/領域番号 |
05230011
|
研究種目 |
重点領域研究
|
配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
風間 洋一 東京大学, 教養学部, 教授 (60144317)
|
研究分担者 |
加藤 光裕 東京大学, 教養学部, 助教授 (80185876)
米谷 民明 東京大学, 教養学部, 教授 (10091521)
|
研究期間 (年度) |
1993
|
研究課題ステータス |
完了 (1993年度)
|
配分額 *注記 |
1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
1993年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
|
キーワード | 弦理論 / 量子リュウヴィル理論 / ディラトン量子重力理論 / ブラックホール / deformed matrix model / c=1弦理論 / 位相的シグマモデル |
研究概要 |
本研究は、弦理論及び低次元の量子重力理論の時空幾何学的構造を明らかにすることを目的として遂行され、本年度においては次に述べる結果を得た。 (1)風間はハンブルク大学のH.Nicolaiと共同で、量子リュウヴィル理論の厳密なオペレーター形式を研究し、理論構成の要となるリュウヴィル場の頂点作用素に対する局所的因果律の要請を表す演算子方程式の新しい解を発見した。 (2)風間はまた、Callan等によって提唱された二次元のディラトン量子重力模型の厳密な量子化を行い、理論の物理的状態を完全に決定した。さらに、一つの特に興味深い例として、物質場の入射衝撃波によってブラックホールが生成される過程に対応する物理的状態を構成することに成功したが、これは、量子重力理論の厳密な取扱いにおいて時空描像を取り出す方法を具体的に示した初めての例として重要な貢献である。 (3)米谷はブラウン大学のA.Jevikiと共同で、行列模型のハミルトニアンの選び方によらない一般的性質、背景依存性、および共形場理論での2次元ブラックホール解の性質を詳細に検討し、これらの性質を全て満たす新しい行列模型としての“deformed matrix model"を提唱した。これは行列模型によって、ブラックホールや他の異なった背景時空や真空に対応する弦理論の解を構成する可能性を指し示した最初の研究である。 (4)加藤は、c=1の弦理論の性質を研究し、その物理的状態がSL(2,R)/U(1)ブラックホールのそれと同値であり、さらにそれが位相的シグマモデルの物理的状態として解釈できることを発見した。加藤はまた、N=0ボゾン弦理論がN=1フェルミ弦理論に埋め込めることのエレガントな証明を与えた。
|