研究課題/領域番号 |
05230020
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
井上 淳 東京工業大学, 理学部, 教授 (40011613)
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研究期間 (年度) |
1993
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研究課題ステータス |
完了 (1993年度)
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配分額 *注記 |
1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
1993年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | スーパー多様体 / スーパー対称性 / Atiyah-Singer指数定理 / Witten指数 / Dirac方程式 / Pauli方程式 / 偏微分方程式系の分類 / 凝古典力学 |
研究概要 |
(い)筆者は前田吉昭氏と共同で、無限個のGrassmann生成元をもつFrechet-Grassmann代数をもとに有限次元のスーパー空間R^<m/n>を導入した。これにより、スピンをもった方程式、例えばPauli方程式にHamiltonian及び特性曲線を対応させる事が出来るようになり、その方程式の基本解を構成した。更に、この方法を少し修正することにより、Dirac方程式の基本解の構成についても新しい知見を加えることができた。 (ろ)偏微分方程式系の研究は行列のもつ非可換性のゆえに手法が限られていたが上に述べた手法の有用性が示されつつある。これは、すべての行列はClifford関係を持つ行列を用いて展開出来ること、Clifford代数の元はGrassmann代数に作用する性質を持つことを、スーパー空間上の関数への微分作用素の作用と表現することによる。例えば、Douglis-Nirenbergの楕円型偏微分方程式系についての自然な考察もほぼ可能になり、これがGelfandが提出した楕円型偏微分方程式系の特徴付けの問題に適用出来ることが期待される。 (は)物理学者が考えているボゾン-フェルミオン対応も数学的に考察できるようになりつつあり、これを用いてスーパー多様体上の熱方程式の基本解の性質からAtiyah-Singer Index Theoremを導けるようになりそうである。より一般にスーパー多様体を如何に構築し豊富な内容を持たせるようにしていくかは、今後の研究課題である。 (に)平成5年11月全国から有志の人々を集め第3回解析セミナーを地方共済研修所富士桜荘(河口湖)で開催した。この科研費で将来を嘱望される院生に財政的援助をできたことをここに感謝する。詳細は別表に記す。
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