研究概要 |
当該研究計画では、超電荷Nの超共形代数のVerma module中のnull statesを構築する一般的処方(加藤-松田の方法)を与えることにより、超共形代数を構築する一般的処方(加藤-松田の方法)を与えることにより、超共形代数の表現論の数学的解明を行った。具体的には、N=0,1,2までの超共形代数に対する当該研究者のこれまでの成果を踏まえて、更に高いNの代数構造とその表現論を解明することを目指した。特に、当面の研究課題としているSU(2)Kac-Moody代数を含むN=4超共形代数のユニタリー表現および非ユニタリー表現を記述する(当該研究者が既に求めた)N=4自由場表現を用いて、その表現論の基本となる表現ブロックを発見し、基本表現ブロックは8個のボゾン的共形場と8個のフェルミオン的共形場から構成されることを見いだした。N=4 SU(2)Kac-Moody超共形代数の超対称性の下でのこれらの基本場の変換性を厳密に求め、その結果に基づいて、非カイラル遮蔽演算子およびカイラル遮蔽演算子を完全で厳密な計算により全て同定した。これにより、N=4Kac行列式の厳密証明が可能となり、また、計算機を使ったKent-Riggs達の予想公式は正しいことが、当該研究のこれまでの成果でほぼ確定的である。これらの成果は、平成5年11月に大阪大学での研究会「場の理論の最前線」で発表した。研究過程に於いて、東大理、高エネルギー研究所、広大理等を含む国内各地の物理・数学両分野の研究者との研究成果交換・研究討論が極めて有益であった。また、設備備品として購入したワークステーションの機能は、研究計算、情報交換、論文作成等において非常に重要な貢献をしてくれた。なお、当該研究計画で遂行した研究の成果の一部は、最近論文にまとめ、欧文雑誌に発表予定である。
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