研究課題/領域番号 |
05230032
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
佐々木 隆 京都大学, 基礎物理学研究所, 助教授 (20154007)
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研究期間 (年度) |
1993
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研究課題ステータス |
完了 (1993年度)
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配分額 *注記 |
1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
1993年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
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キーワード | 戸田場の理論 / 厳密なS-行列 / 解ける場の量子論 / 一般化ブートストラップ / 半直線上の可解場 / 反射方程式 / 反射ブートストラップ方程式 |
研究概要 |
場の量子論は物質の究極の構成要素である素粒子の振舞いを記述する理論であるが、その全容は無限大自由度を扱う数学的複雑さのために未だ解明されていない。そこで場の量子論の本質的部分を保持しかつ解ける性質を有した模型を作りその種々の性質を具体的に研究することにより場の理論そのものを深く理解することが目的である。具体的な研究対象は各半単純リー代数に基づいた1+1次元の戸田場の理論でこれらは無限個の種類があり非常に性質が良い。1992年度までの研究によってsimply-lacedなLie代数に基づく理論に対しては、厳密なS-行列が解析性、ユニタリ性、交差対称性、質量スペクトルとブートストラップ原理に従って与えられその性質が良く理解された。 今年度の研究対象の一つは、non-simply lacedリー代数に基づいた戸田場の理論である。これらは上記のsimply-lacedなリー代数に基づく理論とは異なり代数的表現論的特徴づけやくりこまれた場の理論との対応に多くの困難があった。[1]ではnon-simply laced戸田場の理論のS-行列が一つのリー代数にではなく長ルートと短ルートの交替で得られるリー代数の対に対応することを示しその力学を統制する‘一般化されたブートストラップ原理'を明らかにした。これらのS-行列の持つ代数的表現論的意味づけは今後の課題の一つである。今年度のもう一つの研究対象は半直線上の解ける場の理論の構成であった。反射方程式(Yang-Baxter方程式の半直線の場合への拡張)とブートストラップ原理とを融合させた反射ブートストラップ方程式を種々の戸田場の理論につき具体的に解いて端点での相互作用の代数的取り扱いを論じた([2])。現在は場の理論的取り扱いと上記の代数的取り扱いを統一する理論の構築を目指している。
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