第1Chern類が、0になる3次元射影的多様体を、Calabi-Yau多様体と呼ぶ、当研究では、主に、特異点を持った、Calabi-Yau空間のモジュライ空間について考察した。特異点付きのCalabi-Yauを考えることは、極小モデル理論、物理学の超位理論共形場理論等の関係からも、重要である。具体的に得られた結果は次の通りである。 1.正規交叉型多様体Xで、K_X〜0となるものを、degenerats Calabi-Yau空間と呼ぶ。この時、X自身の変形を考えるかわりに、Xヒのlog構造を込めた変形を考える。この様な、Set-upのもとでは、Hodge理論が極めて有効である。その結果、Xが変形で、smoothingされる為の十分条件を得た。この事を応用して新しいCalabi-Yau多様体を構成することが可能である。 2.terminal特異点のみを持った、3次元Calabi-Yau空間Xの倉西空間Def(X)が非特異であることを証明した。更に、この事を用いて、Xが、Q-分解的ならば、常に(変形で)smoothableであることも示した。Xが、smoothableであることより、小平次元が0の非特異3-foldのBogomolov分解が証明できる。
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