研究分担者 |
藤井 敏嗣 東京大学, 地震研究所, 教授 (00092320)
神崎 正美 岡山大学, 固体地球研究センター, 助教授 (90234153)
中嶋 悟 北海道大学, 大学院・理学研究科, 教授 (80237255)
松井 正典 九州大学, 理学部, 助教授 (90125097)
赤荻 正樹 (赤萩 正樹) 学習院大学, 理学部, 教授 (30126560)
|
配分額 *注記 |
103,500千円 (直接経費: 103,500千円)
1995年度: 16,500千円 (直接経費: 16,500千円)
1994年度: 44,000千円 (直接経費: 44,000千円)
1993年度: 43,000千円 (直接経費: 43,000千円)
|
研究概要 |
マグマの構造と物性に関して,実験と理論による研究を行った. 実験:各種岩石の融解熱とオリビン固溶体の混合特性を高温熱量測定法で直接測定した。高圧下で共存する珪酸塩メルトと鉱物間の元素分配データを得た。高圧下で急冷したガラスの熱力学的性質を測定し,高配位数シリコンの量に伴うエンタルピーの増加を見いだした。放射光を利用した高圧下その場でのマグマの粘性測定法を実用化し,2-4GPaでjadeite組成のマグマの粘性を測定した.また,高圧下においてマントル物質と共存する水は多量のシリケイト成分を溶解し,地球内部においては第2のマグマと言えることを示した. 新たな顕微赤外高温その場分光装置を開発し,マグマの構造と水,マグマ・ガラスからの脱水過程の解析をおこない,その活性化エネルギーから,水の拡散が律速している可能性を示唆した.これをもとに流紋岩マグマの噴出の時間スケールを推定した. 理論・計算:マグマ中の化学結合の理解のため分子軌道計算を行い,NMRやIR測定との比較を行い,原子間相互作用モデル構築の基礎とした.Na2O-CaO-MgO-Al2O3-SiO2系およびNa2O-SiO2-H2O系の結晶と融体に適用可能な原子間ポテンシャルモデルを導くとともに,得られたポテンシャルモデルを用いた分子動力学シミュレーションにより,これらの系の種々結晶と融体の構造と物性を高精度で再現あるいは,信頼できる精度で予測することに成功した.
|