研究課題/領域番号 |
05231207
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
八木 健彦 東京大学, 物性研究所, 助教授 (20126189)
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研究分担者 |
内海 渉 東京大学, 物性研究所, 助手 (60193918)
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研究期間 (年度) |
1993
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研究課題ステータス |
完了 (1993年度)
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配分額 *注記 |
2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
1993年度: 2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
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キーワード | ケイ酸部分溶解体 / 高温高圧X線その場観察実験 / オリビン固溶体 / 放射光 / 液体のハロー / マルチアンビル型高圧発生装置 / 部分融解度 |
研究概要 |
本年度は高温高圧下で部分融解しているケイ酸塩のX線その場観察実験を行ない、ハローと結晶の回折線の強度比から、部分融解度を定量的に測定する手法の確立を試みた。配分された研究費のほとんどは設備備品費として、物性研に設置されている高温高圧X線回折実験装置の能力向上に使われた。 まず物性研に設置されているマルチアンビル装置を用いて、試料構成や圧力容器などの検討を行ない、これらの予備実験を通して最適な実験用アセンブリーを開発した。そこで確立された実験用アセンブリーを用いて、高エネルギー物理研究所の放射光実験施設で、オリビン固溶体(組成はFo_<50>Fa_<50>)を約3GPaまで加圧し、そこで温度を上げながらきわめてSN比の高いX線その場観察実験を行なうことに成功した。得られたX線回折パターンは、試料温度の上昇と共に、まずソリダス温度に達するとバックグラウンドが上がり始め、次第に結晶の回折線が弱くなり、リキダス温度に達すると共に完全に液体のハローだけになってしまう様子を明瞭に示している。 このデータを詳しく解析することにより、1.バックグラウンドとハローの比、および2.組成変化による結晶の格子常数変化、の2つの方法により、部分融解がどの程度起きているかを明らかにできることが分かった。しかしまだ精密な定量化を行なうには、今後さらに、バックグラウンドの引き方や重なったラインのピークの決め方などデーター処理に一層工夫が必要なことも明らかになった。
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