研究概要 |
マントルツソスフェアーとアセノスフェアーにおける炭素の存在状態とその移動プロセスを解明するために,高温高圧実験を行い,(1)ダイヤモンドと珪酸塩メルトとの安定関係と(2)キンバライトマグマの相平衡の検討を行った。 ダイヤモンド安定領域でキンバライトメルトからのダイヤモンドの成長,生成が確認された。より低圧下のグラファイト安定領域ではダイヤモンド種結晶は融食され,その表明に多数のトライゴンの生成が認められた。これらのことからキンバライトメルト中に炭素が相当量溶解すると推定された。例えば,25Kb.1500℃の条件でキンバライトメルト中のダイヤモンド種結晶は,天然ダイヤモンドのモロホロジーと酷似したエッチピット状の融解を示した。 100Kbまでの圧力条件下でグループIIキンバライトの融解実験を行い,約5.5GPaより高圧下では,アセノスフェアーでCo_2,H_2O,K_2Oに非常に富んだメルトの存在する事が確認された。 これらの実験から,キンバライトはアセノスフェアーのメルト起源である事と,ダイヤモンドの生成が,CO_2あるいはCに富んだアセノスフェアーメルトと関連している事が明らかになった
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