研究課題/領域番号 |
05231224
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
清水 洋 熊本大学, 理学部, 助教授 (60090544)
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研究期間 (年度) |
1993
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研究課題ステータス |
完了 (1993年度)
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配分額 *注記 |
2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
1993年度: 2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
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キーワード | La-Ce同位体系 / Sn-Nd同位体系 / 希土類元素パターン / Re-Os年代 / 大陸地殻 / 先カンブリア紀 / 上麻生礫岩 / 小白山陸塊 |
研究概要 |
先カンブリア紀の岩石について、La-Ce同位体系とSm-Nd同位体系を組み合わせた希土類元素同位体トレーサ並びに希土類元素存在度パターンによる地球化学的研究を行ない、誕生直後の固体地球の化学的進化の解明を行なうことが本研究の目的である。主な成果は次の通りである。 1.日本で先カンブリア紀の年代を示す唯一の例である、美濃帯の上岩の片麻岩礫・花岡岩礫について、Sm-Nd同位体系・La-Ce同位体系・希土類元素存在度パターンの詳細な検討を行ない、日本列島の先カンブリア紀基盤岩の化学的進化に関して次の結果を得た。(1)片麻岩のprotolithは、LREE-depleted mantleから始生代末の約26億年前に、大陸地殻の一部として形成された。(2)このprotolithから約21億年前に花岡岩が分化し、そして(3)この花岡岩が18-16億年前に変成作用を受け片麻岩となった。この18-16億年前の変成作用の間には希土類元素パターンは、ほとんど変化しなかったと考えられる。 2.韓国の小白山陸塊の黒雲母片麻岩について、10億年のSm-Nd年代を得た。韓国の先カンブリア紀の岩石についての貴重な年代値であり、この年代の意義を検討中である。 3.輝水鉛鉱(MoS_2)についてのRe-Os年代測定法を確立し、Mt.Mulgine(オーストラリア)、Matasvaara(フィンランド)、Preissac(カナダ)の輝水鉛鉱について、各々28、26、27億年のRe-Os年代を決定し、母岩の年代と調和的であることを示した。これにより、硫化鉱物から見た、先カンブリア紀のマグマ活動についての議論が可能となった。
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