研究分担者 |
田里 伊佐雄 岡山大学, 工学部, 教授 (00026014)
千葉 仁 九州大学, 理学部, 教授 (30144736)
東 正治 高知大学, 理学部, 教授 (90036583)
井沢 英二 九州大学, 工学部, 教授 (50037751)
中塚 勝人 東北大学, 工学部, 教授 (60005345)
秋林 智 秋田大学, 鉱山学部, 教授 (90006669)
木島 宣明 岡山大学, 地球内部研究センター, 講師 (30033260)
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配分額 *注記 |
127,000千円 (直接経費: 127,000千円)
1995年度: 33,400千円 (直接経費: 33,400千円)
1994年度: 35,000千円 (直接経費: 35,000千円)
1993年度: 58,600千円 (直接経費: 58,600千円)
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研究概要 |
地下高温岩体相中のき裂を通過する熱水と岩石の相互作用を模擬する装置を開発し,温度勾配を有した状態でかつ流速などの条件を変え,き裂変化の予測を提案した。同時に,岩石き裂を流通する熱水の条件下でかつ機械的な圧搾のできる装置開発を行い,き裂の閉塞は静止系で主としておこり,流通系との相違を明らかにした。また天然のき裂中の熱水流動が唯一観察できる菱刈金鉱床についてそのき裂形態からフラクタル性を明らかにすると同時にき裂内の析出鉱物の年代測定を行い,室内実験と対比させながら,断続的なき裂生成と析出の繰り返しを立証した。また,溶解-沈積をくりかえしながら,き裂の最終形態は管状になり,熱抽出の終焉が予測されたことから,管状き裂を閉塞さらに水圧破砕によるマルチクラックを再生するための閉塞剤の開発を行い,スメクタイト質の粘土を地下き裂内で生成させることによるき裂閉塞のプロセス制御を考案した。またき裂内を通過する熱水のpH測定は,き裂の変動予測に不可欠であり,測定装置の開発に成功すると同時に化学平衡からのモデル計算と対比させ,ほぼ完全な一致をみたことから,実測定のみならず計算による信頼性も確認できた。また.き裂の閉塞となる沈積反応を電気化学手法で解明し,沈積は金属酸化物と水酸化物の複合化反応であると同時にこの生成物が固体酸化物の力学的性質を大きく支配することを見いだした。 このような成果は,地熱抽出物を目指した高温岩体のマルチクラックの制御にその道を開く結果を得たことになり,実用化に大きく貢献するものとして期待される。同時にこの研究の中核となる地下き裂内の熱水流動模擬試験手法は非平衡下の地球化学にも大きな研究分野を提供することになると同時に新材料の開発あるいは環境工学への展開などにも応用展開が期待できる。
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