研究分担者 |
高田 昌樹 名古屋大学, 工学部, 助手 (60197100)
百瀬 孝昌 京都大学, 理学部, 講師 (10200354)
加藤 立久 岡崎国立共同研究機構, 分子科学研究所, 助教授 (80175702)
神野 清勝 豊橋技術科学大学, 工学部, 教授 (60124731)
斎藤 弥八 (斉藤 弥八) 三重大学, 工学部, 助教授 (90144203)
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配分額 *注記 |
93,600千円 (直接経費: 93,600千円)
1995年度: 40,700千円 (直接経費: 40,700千円)
1994年度: 22,800千円 (直接経費: 22,800千円)
1993年度: 30,100千円 (直接経費: 30,100千円)
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研究概要 |
過去3年、われわれは、種々の金属原子を内包したフラーレン(金属内包フラーレン:Endohedral Metallofullerenes)あるいは、金属を内包したナノカプセル(Carbon Nanocapsules)の生成、分離・単離、構造、電子状態、物性および反応の解明に重点を置いてきた。このため現在では、金属内包フラーレンに関する重要なpublicationのほとんどは、わが国の研究グループからのものである、といわれる程になつた。以下に、本重点領域研究期間の過去3年の間に得られた、わが班員の金属内包フラーレンに関する主な業績、特に、“priority level"(i.e.,"先取権争いに勝利した")の業績のみを紹介する: (1)多くの新しい金属内包フラーレンの生成:良く知られている、La,Y,Sc(3価)原子以外にも、Gd,Pr,Ceなどのランタノイド原子のほか、Ca(2価)やTi(4価)の金属を内包したフラーレンの生成に成功した。 (2)多くの金属内包フラーレンの、初めての分離と単離:(1)で生成した種々の金属フラーレンの単離を、2段階HPLC法で"純品化"することに成功。金属内包フラーレンの分離・精製法を確立した。 (3)金属内包フラーレンの構造異性体の発見と単離:ほとんどの金属内包フラーレンには、構造異性体があることを発見し、またこれらを精製・単離した。 (4)金属内包フラーレンの構造解析:シンクロトロンX線回折、STM(走査トンネル顕微鏡),^<13>C-NMR,^<45>Sc-NMR,HREM(高分解能電子線回折)などの手段による、初めての構造解析(分子構造と結晶構造)。. (5)金属内包フラーレンの電子構造の解明:UPS/XPS(紫外・X線電子分光),ESR,IR/Raman分光,レーザー分光、などの手段による特異な電子構造の解明。 以上のように、新規物質である金属内包フラーレンの精製、分離・単離から構造解析や電子状態の解明まで、すべてわが重点班の研究者によって行われた。多くの研究が、Nature,Phys.Rev.Lett.J.Am.Chem.Soc.などのインパクトパラメターの非常に高い雑誌の速報として発表された。そして、これらすべてが、“priority level"の研究であることを特記したい。
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