研究課題/領域番号 |
05233201
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
田路 和幸 東北大学, 工学部, 助教授 (10175474)
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研究分担者 |
野澤 美樹 東北大学, 工学部, 助手 (60250718)
松岡 功 東北大学, 工学部, 教授 (80005264)
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研究期間 (年度) |
1993
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研究課題ステータス |
完了 (1993年度)
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配分額 *注記 |
2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
1993年度: 2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
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キーワード | 金属フラーレン / フラーレン / EXAFS / 生成効率 / 炭素材料 / ランタン / スカンジウム / イットリウム |
研究概要 |
本年度は、X線吸収端微細構造(EXAFS)測定のための金属内包フラーレンの合成を行った。金属内包フラーレンの合成法は、まだ確立されておらず、試行錯誤で合成しているのが現状である。さらにアーク放電法により金属を内包できるフラーレンはC82やC84などの高次フラーレンであり、それらの生成効率は、フラーレンの代表であるC60の1/1000以下である。そのため、金属内包フラーレンの金属の内包状態をEXAFSにより決定するために必要なmgオーダーの試料を作るには膨大な時間を要する。そこで、本研究では、EXAFS測定用試料の作成を行いながら、金属内包フラーレンの生成効率を高める努力を行った。以下のように研究を実施した。 (1):金属内包フラーレンの生成効率を高めるため、7種類の炭素材料について検討を行った。その結果、カーボンブラックなど非晶質素材を用いることにより、通常のグラファイトを用いる場合に比べ、1/10の時間で一定量のフラーレンが得られることがわかった。 (2):(1)の結果を踏まえ,La、Y、Sc元素を含む、炭素棒を自作し、アーク放電により各種金属フラーレンを合成を行った。そして、高速液体クロマトグラフィーにより、それぞれの金属内包フラーレンの生成状態を評価した。その結果、Scを含む金属内包フラーレンの生成効率が、他の金属内包フラーレンに比べ、約一桁大きいことがわかった。 (3):(1)、(2)の成果を踏まえ、Sc内包フラーレンの構造決定を行うことにした。そのため、大量に、Sc金属を含む炭素棒を自作し、アーク放電により、Sc@C82およびSc@C84を合成、単離を行った。 (4):現在、Sc@C82は、ほぼ単離が完了したためEXAFS測定の準備を行っているところである。
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