研究課題/領域番号 |
05233203
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
川添 良幸 東北大学, 金属材料研究所, 教授 (30091672)
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研究分担者 |
進藤 浩一 岩手大学, 人文社会科学部, 教授 (10004384)
胡 暁 東北大学, 金属材料研究所, 助手 (90238428)
大野 かおる 東北大学, 金属材料研究所, 助教授 (40185343)
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研究期間 (年度) |
1993
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研究課題ステータス |
完了 (1993年度)
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配分額 *注記 |
1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
1993年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | マイクロクラスター / フラーレン / 電子状態 / バンド計算 / 分子動力学 / 分子性結晶 / 振動状態 / 局所密度近似 |
研究概要 |
本年度は、フラーレンの作る分子性結晶の電子状計算を集中的に行った。用いた計算方法は、我々が独自開発した混合基底第一原理バンド計算法である。その結果、CuおよびSi基板上に2次元配列したC_<60>、C_<70>、およびそれらの混合物の電子状態は、本研究所の新素材開発施設の走査型トンネル顕微鏡(STM)で観測された基板およびSTMのバイアス電圧に依存する極めて不思議なパターンを再現することが分かった。また、これらの構造体がナノスケール材料としての可能性を持つことを示すことができた。 C_<60>およびC_<70>の作るFCC型3次元結晶に対する精密計算も行い、従来11万個もの平面波を用いていた計算が、我々の方法では、実に数千個で十分であることが示された。さらに、分子性結晶中でのフラーレンの向きが結晶の電子状態を大きく変えることを見出した。今後は、実験で知られている255K以下でのSC型結晶構造に対する同様の計算を計画しているが、単位胞に最低4個のフラーレンを入れる必要があり、我々の方法をもってしても極めて大規模な計算となる。 フラーレンの振動状態に対する分子動力学計算も継続的に行っているが、まだ十分な精度で振動数を見積もるまでには至っておらず、来年度以降の継続的研究テーマである。
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