研究課題/領域番号 |
05233213
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 電気通信大学 |
研究代表者 |
野上 隆 電気通信大学, 電気通信学部, 教授 (80029280)
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研究分担者 |
石田 尚行 電気通信大学, 電気通信学部, 助手 (00232306)
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研究期間 (年度) |
1993
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研究課題ステータス |
完了 (1993年度)
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配分額 *注記 |
2,700千円 (直接経費: 2,700千円)
1993年度: 2,700千円 (直接経費: 2,700千円)
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キーワード | フラーレン / 化学反応 / アジリジン / カルベン / ニトレン |
研究概要 |
C_<60>の化学を明らかにする研究の一環として、種々の反応試薬との反応を行ない、生成物の単離、スペクトルによる同定を行なった。C_<60>の反応性を明らかにすると同時に、付加体の構造と反応機構、付加体の反応性と官能基変換、および電気化学的な性質などを調べた。 具体的には、我々はまず種々のジエン試薬との付加体を単離し、構造を明らかにした。特にC_<60>のアントラセン二分子付加体が両極より付加した構造を持つことを^<13>CNMRより明らかにすることができた。これは二分子付加体の構造を決めた初めての例である。また、過酸酸化によるジオキシドC_<60>O_2も位置選択性の高い生成物であることが解かった。さらに、我々は“真の"カルベン、ニトレン付加を行なった。即ち、形式的にはカルベンやニトレン付加に相当する付加体が、ジアゾ、アジド化合物との反応により開いた構造をもつ付加体として得られるとの報告があるのに対し、我々の行なった直接的なカルベンやニトレン付加では閉じた6員環-6員環接合部における付加体を与えた。ジクロロカルベン付加体からの官能基変換を検討したが、求核試薬はC_<60>部分にも攻撃するためかなり困難であった。ナイトレン付加により得られたフラーレンアジリジンは新規骨格である。この類縁体はアジド蟻酸エステルを用いても得られた。アジリジン類は熱的に安定であり、閉じた6員環-6員環接合部位の付加体は安定な異性体と考えられる。アジリジン類の還元電位を調べたところ、窒素上の置換基によりかなり影響を受けることが解かった。温度を変えた^<13>CNMR測定により、このアジリジン骨格には窒素の反転が観察され、この反転のエネルギー障壁も窒素上の置換基にかなり左右されることが解かった。
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