研究課題/領域番号 |
05233223
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東京都立大学 |
研究代表者 |
菊地 耕一 東京都立大学, 理学部, 助教授 (40177796)
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研究期間 (年度) |
1993
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研究課題ステータス |
完了 (1993年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1993年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | 金属フラーレン / UPS / 構造 / 物性 / 放射化 / トレサー |
研究概要 |
金属フラーレンLaC82の構造ならびに物性研究を行った。研究を行うために、アーク放電によって得られるすすから目的とする金属フラーレンを抽出する方法に改良を加え、トリクロロベンゼンを用い、従来の方法の約50倍効率的な方法を見出し、金属フラーレンの大量分取を行った。さらに我々が開発した2ステップHPLC法により、LaC82の精製を行った。精製したLaC82を用いてその構造ならびに物性を調べた結果、フラーレンに比べ酸化および還元され易いことを明らかにした。また、中心金属から殻へ電荷が移動していることが予想されるが、CVにおける還元波の出現の仕方やUPSスペクトルはこの電荷移動を支持しており、これまで考えられている電子状態が正しいことを実証した。また、CS2から析出した微結晶を用いて粉末X線スペクトルを測定し現在その解析を行っている。この結晶中には溶媒が含まれているが、構造を明らかにすることにより内包か外包かの問題に対して決着をつけることが可能であろう。構造に関しては、XAFSを測定し、局所構造や電荷状態を明らかにしする研究も現在進行中である。また、中性子により金属を放射化し、その反跳エネルギーに対する殻のフラーレンの強度に関しても研究を行い、通常の有機分子より強いことを明らかにしている。また、応用として放射化することによりトレサーとしても使えることも実証でき、今年度の研究において、金属フラーレンの基礎的性質を明らかにできた。
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