研究概要 |
1。シガテラ中毒成分シガトキシン及び赤潮毒成分ヘミブレベトキシンBの合成研究の初期段階として,我々が最近開発した環状ラクトンのアルキル置換環状エーテルへの直載的変換反応の有効性を検討した.その結果この反応形式が中員環ラクトンに極めて有効であることが示された.この結果を応用し,含ハロゲン単環性環状エーテル天然物であるプレローレアチン(8員環エーテル)及びオブツセニン(9員環エーテル)の母核を対応するラクトンから1工程で構築することに成功した. 2。シガトキシンのK,L,M環部の光学活性体としての効率的合成に成功した. 3。4個の中環状エーテルが縮環したヘミブレベトキシンBの全合成にあたり,光学活性体としてすべての不斉炭素が立体選択的に構築されたエーテル縮環母核の効率的合成に成功した. 4。絶対配置未決定の紅藻オゴノリ中毒成分ポリカバノシドAの合成研究の初期段階として,アグリコン部である16員環ラクトンの合成に関する研究を行った.その結果,7個の不斉炭素のうち6個の不斉炭素の構築に成功した.またラクトンの一部をなすテトラヒドロピラン部を光学活性体として構築が完成した.現在最終段階としてのラクトン化反応を検討している.
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