研究課題/領域番号 |
05234214
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
磯部 稔 名古屋大学, 農学部, 教授 (00023466)
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研究分担者 |
市川 善康 名古屋大学, 農学部, 助教授 (60193439)
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研究期間 (年度) |
1993
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研究課題ステータス |
完了 (1993年度)
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配分額 *注記 |
2,600千円 (直接経費: 2,600千円)
1993年度: 2,600千円 (直接経費: 2,600千円)
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キーワード | 生体応答分子 / 高選択的立体制御合成 / pseudo-enantiomer / トートマイシン / アセチレンコバルト錯体 / ヘテロ共役付加反応 |
研究概要 |
生体に応答する分子は、精密構造認識に基づく情報伝達機能を果たすための特定の立体化学、特に絶対配置をもつキラル分子がほとんどである。本研究ではその合成的基盤として炭素-炭素結合形成反応を中心に不斉合成をより簡便かつ選択的に行う方法論の開発と、キラル分子を高選択的に立体制御合成することを目的とする。 具体的には、不斉合成方法論の開発についてヘテロ共役付加反応における不斉源を用いpseudo-enantiomericな両鏡像体を不斉合成する一般論を確立する。これを蛋白脱リン酸酵素に強い阻害作用をもつトートマイシンの多段階合成に応用する。トートマイシンは部分的に同じ阻害作用をもつオカダ酸とpseudo-enantiomericなスピロ環をもつので、D-グルコースを不斉鋳型として両擬似鏡像体を合成する目標設定には都合がよい。また、トートマイシンそれ以外のポリオキシ部分の立体選択的合成及び類縁立体異性体合成についても可能となる合成ルートを検討した。 新法確立のため、基本的には次の1〜3の過程(1)Me_3SiC〓C-Sphを用いたグルカール類へのアセチレン基新導入、(2)アセチレンのコバルト錯体を経由する酸異性化、(3)塩化白金酸触媒を用いるヒドロシリル化とスルフォンへの酸化、により必要なヘテロオレフィンの官能碁合成を達成した。ここで第2過程の異性化を省略すれば、旧法と同一のpseudo-enantiomerが得られるはずで、実際各種の炭素求核剤(RLi,R-C〓CLiなど)を高い立体選択率で付加することができた。pseudo-enantiomer合成のため、次のヘテロ共役付加反応を利用する。これはアリル位の不斉中心と一定の配座関係で、α-またはβ-酸素原子との金属キレートにより付加反応が制御され生成物の立体化学が逆転することはすでに確立している。
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