研究課題/領域番号 |
05234216
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
北 泰行 大阪大学, 薬学部, 教授 (00028862)
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研究分担者 |
藤岡 弘道 大阪大学, 薬学部, 助教授 (10173410)
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研究期間 (年度) |
1993
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研究課題ステータス |
完了 (1993年度)
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配分額 *注記 |
2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
1993年度: 2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
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キーワード | キラルなカチオン反応種 / Pummerer型反応 / O-シリルケテンアセタール / キラルスルホキシド / C_2対称光学活性ジオール / キラルヒドロベンゾイン / 光学活性1,2-ジオール |
研究概要 |
本研究では、スルホキシドとシリルケテンアセタールとの反応によるPummerer型反応およびC_2対称光学活性ジオールを利用する不斉合成反応を利用して、キラルなカチオン反応種を生成させ新規な不斉反応の開発研究を行った。 1.Pummerer転位反応は、スルホキシドに無水酢酸を反応させてα-置換スルフィドを得る反応であり、合成化学的に広く用いられている。我々は、最近、O-シリルケテンアセタール(1)と硫黄のβ位炭素とスルホキシド自身に不斉点を有する非環状キラルスルホキシドとの反応で、α位炭素への不斉点の移行が高選択的に進行し(70%e.e.以上)、光学活性α-シロキシスルフィドを与えることを見出した。そこで、本年度の研究では、硫黄原子上のみに不斉点を持つ非環状キラルスルホキシドと1の反応を検討し、この場合にもPummerer型反応が高エナンチオ選択的に進行することを見出した(TL,1993)。本反応は不斉Pummerer反応において高い不斉収率を得た初めての例である。そこで、本反応機構の考察のためにスルホキシドのα位を重水素ラベルした化合物を用いて反応機構を詳細に検討し、中間にキラルなスルホニウム塩を生じ、ここからアンチペリプラナーなHが引き抜かれて立体選択的に進行することを明らかにした(TL,印刷中)。 2.C_2対称ジオールであるキラルヒドロベンゾインとグリオキサリック酸との縮合により合成したジフェニルジオキサノン誘導体とアリルシランとの反応が、Lewis酸触媒下に高ジアステレオ選択的に進行することを見出した。更に、生成物をDIBAH還元、アセチル化して得た化合物に、高ジアステレオ選択的に求核種を導入後、ジフェニルエチレン部を除去して、キラルなカチオン中間体のアノメリック効果を2回利用して高い不斉収率を実現する、新規な光学活性1,2-ジオール合成法を確立した。
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