研究課題/領域番号 |
05234226
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 大阪市立大学 |
研究代表者 |
植村 元一 大阪市立大学, 理学部, 助教授 (90047241)
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研究期間 (年度) |
1993
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研究課題ステータス |
完了 (1993年度)
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配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
1993年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
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キーワード | (アレーン)クロム錯体 / 不斉クロスカップリング / アトロプ異性体 / エナンチオ選択的オルトリチオ化 / 面不斉 |
研究概要 |
光学活性(アレーン)クロム錯体を合成する方法として、以下の反応を検討した。メソ体の(o-ジクロロベンゼン)クロム錯体を、キラル配位子存在下、エナンチオトピックな二つのハロゲンを区別して、パラジウム触媒でビニル、及びアリール金属を一方の塩素原子のみとクロルカップリングし、(アレーン)クロム錯体を光学活性として得ることを検討した。配位子としてPPFAが、また用いるビニル、及びアリール金属はホウ酸誘導体が最も高い光学純度を示す事がわかった。フェニルホウ酸を用いてカップリングすると、最高69%eeの光学純度でモノカップリング体を得た。 オルト置換フェノールのクロム錯体を光学活性体として合成するために、環状のカルバメートでマスクしたフェノールのクロム錯体をブチルリチウム存在下、キラルジアミンでエナンチオ選択的なオルトリチオ化反応を行った結果、72^〜82%eeの光学純度で目的物を得た。 (アレーン)クロム錯体の面不斉を利用して、アトロプ異性体を光学活性体として立体選択的に合成することを検討した。2,6-ジ置換-1-ブロモベンゼンのクロム錯体と、オルト置換フェニルホウ酸をパラジウム触媒でクロスカップリングすると、フェニルホウ酸のオルト位の置換基の違いにより、アトロプ異性体を選択的に作り分けることに成功した。オルト位の置換基がアルキル、ヒドロキシメチル基の時と、ホルミル基の場合では完全に異なるアトロプ異性体を合成することができた。この反応を更に軸不斉をもつ生理活性天然物の全合成に応用している。
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