研究課題/領域番号 |
05235204
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
福本 圭一郎 東北大学, 薬学部, 教授 (50004586)
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研究期間 (年度) |
1993
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研究課題ステータス |
完了 (1993年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1993年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | 電解反応 / 環化反応 / 立体選択的合成 / 配向選択的合成 / 抗アルツハイマー作用 / 全合成 / (-)-エメチン / タカマニン |
研究概要 |
平成5年度には、日本薬局方収載薬品(-)-emetine及び抗アルツハイマー作用の期待されるtacamonineを対象化合物に選び、両化合物合成の基質となるラクトンの電気化学的手法による高立体・配向選択的合成法の開発と化学的及び光化学的手法との比較、並びに本化合物からの両天然物の合成につき検討を行った。 出発物質となる三種の不飽和エステルを著者らの開発した合成法を利用してethylmalonic acidより高収率で製した。ここに得られた(E)ー及び(Z)ー不飽和エステルにつきそれぞれ電解還元を行い、目的としたtrans体をE-isomerより配向選択的に、しかも主成績体として得ることができた。なお同時に光化学的手法及び化学的手法との比較を行った。ラクトンの電気化学的合成法の開発に成功したので、次に本化合物より(-)-emetineの不斉合成を検討した。先ずラクトンをDIBAL還元後、水酸基をペンジルエーテルとして保護し、次いでアセタール部の加水分解、さらに酸化し、その成績体を3,4-dimethoxyphenethylamineと反応させ、得たアミドのBischler-Napieralski反応とその成績体の還元により既に(-)-emetine或いは(-)-tubulosine等へと変換されている(-)-protoemetionolを合成し、(-)-emetine等の形成的全合成を達成した。 なおtacamonineも上記のルートでの全合成に成功しており、現在電気化学的手法によるラクタム環形成を検討している。 著者は目的としてラクトンの配向選択的合成法の開発に成功し、(-)-emetineの全合成を達成し得たが、環形成反応に際し立体選択性及び収率の面で満足できるものではない。今後、反応条件と基質に検討を加え、この型の反応を効率的な一般合成法としたい。
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