研究課題/領域番号 |
05235209
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 北陸先端科学技術大学院大学 |
研究代表者 |
民谷 栄一 北陸先端科学技術大学院大学, 材料科学研究科, 教授 (60179893)
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研究分担者 |
横山 憲二 東京大学, 先端科学技術研究センター, 講師 (80242121)
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研究期間 (年度) |
1993
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研究課題ステータス |
完了 (1993年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1993年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | 銅タンパク質 / メディエーター / 酸化還元反応 / パイロリティック電極 / メトキシPMS |
研究概要 |
パイロリティックグラファイト電極(PGE)および金電極を用いて銅タンパク質亜硝酸還元酵素(NIR)の電子移動特性を調べた。メトキシPMSをメディエーターに用いた場合、亜硝酸イオンが存在しない時のサイクリックボルタモグラムはメトキシPMSだけが存在する時のサイクリックボルタモグラムと同等のものであった。またメトキシPMSがほぼ可逆な電気化学反応を示すことがわかった。亜硝酸イオン濃度の上昇と共に、還元電流の増加(カタリティック電流)と酸化ピーク電流の減少が見られた。このことから、EC^1C^1系が成立していると考えられる。メトキシPMS以外のメディエーターを用いてもカタリティックな電流を得ることができた。種々の合成メディエーターを用いてNIRの反応性について検討した。1-メトキシPMS、メルドラブルー、メチレンブルーはNIRと反応して基質に依存したカタリティック電流を観測できた。PQQ、フェリシアンイオン、p-ベンゾキノンはNIRと反応しなかった。1-メトキシPMS、メルトラブルー、メチレンブルーはともに複素環の電子移動に基づく酸化還元反応を起こす電子キャリヤーである。酸化状態では1+の電荷を持っており水溶性である。NIRの酸化還元電位は、電極に吸着した状態で最低450mV程度と考えられる。またNIRと細胞内で共役しているブルー銅蛋白質(AfBP)を用いたところ、メディエーターとして機能することが明らかとなった。最初にNIRは酸化型で存在し還元型が酵素活性を持つから、メディエーターの酸化還元電位が低いほどNIRとの反応速度は速く、エネルギー的に有利であると考えられる。しかし、酸化還元電位からは、PQQは反応可能性がありながらNIRとは反応しなかった。このことからNIRの酸化還元部位が親水的な環境にあるということが予想される。また正の電荷を持ったメディエーターとの反応性から酸化還元部位は正に荷電していないということが示唆された。
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