研究課題/領域番号 |
05235243
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 工学院大学 |
研究代表者 |
大勝 靖一 工学院大学, 工学部, 教授 (20011009)
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研究期間 (年度) |
1993
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研究課題ステータス |
完了 (1993年度)
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配分額 *注記 |
2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
1993年度: 2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
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キーワード | ポリフタロシアニン薄膜 / 糖修飾電極 / D,L-グリセルアルデヒド / スチレンオキサイド / 還元電位 / 基質識別能 |
研究概要 |
生体がもつ特異的な性質を電気化学に持ち込めば、その特異性を生かした新しい反応系やセンサーの開発が可能になると考えられる。我々は、生体物質の中で糖蛋白質に着目した。特に糖は生体内において、細胞に近ずく物質を識別しているといわれる。本研究では、糖蛋白質の構成分である糖、アミノ酸で修飾したポリフタロシアニン薄膜電極を作成し、その機能を検討した。 電極はテトラシアノベンゼン(0.18g)と2,4-ジアミノニトロベンゼン(0.02g)を1.5torr、270C下に例えば銅板上へ蒸着重合させ、生成した薄膜上のニトロ基をアミノ基に還元し、これに糖を反応させることにより作成した。糖での電極の修飾は、アミノ酸でのそれに比べて困難であり、多くの反応条件を模索した。最終的には強酸性イオン交換樹脂の存在下にグルコース(0.15M)を作用させることによってこれを達成することができた。糖での修飾の程度はFT-IRにより定量した。電極の外観は元の紫色が白色を帯びるに至った。 作成した修飾電極の機能を知るために、この基質識別能について検討した。この電極を作用電極としてD,L-グリセルアルデヒドの還元電位を測定したところ、両電位に約0.1Vの差が認められた。またスチレンオキサイドについても同様のことが観察された。六単糖についても還元電位を測定したが、これらの糖類が水中において環構造をなし、遊離のアルデヒド基が少ないために、その電位を知ることができなかった。しかし今回の一連の実験で糖修飾電極の機能を一部明らかにすることができたので、今後これを更に発展させるつもりである。
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