研究概要 |
alpha,beta-不飽和ケトンのアリル位の酸化には、Sharplessらの有害な二酸化セレンを用いた反応が従来最も良く使われてきた。しかし,この反応でも酸化が困難であった。まず,alpha,beta-不飽和ケトンのアリル位の酸化反応が有機電気化学を用いることによってかなり効率良く進行することを見いだした。そこで,種々の基質を用いて,この酸化反応がどのような化合物にまで適応できるかを先ず明かにした。この方法は,通常の有機化学反応を用いて4-位の官能基化を行ったときと逆の立体配置を有するものが得られ,下図に示したような立体配置を持つ生理活性天然物の合成を行う上で重要な反応となる。 さらに通常の有機化学的な反応では強酸など強い条件が必要な,alpha,beta-不飽和オキシムの電解酸化加水分解反応にも成功した。この反応の生理活性天然物の全合成への応用が期待される。
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